こんにちは院政時代に興味しんしんwishigrowです。

先日、瀬戸内晴美氏の”祇園女御”という小説の書評をアップしましたが、祇園女御で調べているうちにこの小説にぶつかったのです。
”萌えいづる”というタイトルで花房観音という女性の作品です。
そして、官能小説のジャンルに分類させるようだ。

悩み多き女性たちが登場して、なかなか勉強になりました。
もちろんエロい気分にもなりましたよ、テヘッ。
文学的にもイケてると思うので、紹介しますね。

平家物語になぞらえてあり、京都が舞台

まず、平家物語に出てくる女性の境遇に思いをはせつつ、小説の登場人物の恋慕が展開していくのです。
5話ありますが、主人公の女性はみんな不幸せそうです。
それぞれの話にゆかりのある京都のお寺や場所が出てくるので、実際に行ってみたくなります。
ですので、よくできた小説だと思ったし、エロスより女性の悩みの方がお話の中心です。

各話の設定など

第1話、そこびえ

ゆかりのある場所は祇園女御塚。当然、祇園女御の境遇に思いをはせます。
主人公は小柄な女性”真葛(まくず)”31歳、専業主婦。子どもはまだいない。
結婚前に付き合っていた男性が忘れられずに・・・というお話。

男にとっては怖い話です。
(底冷雪子とは、何も関係ないと思います。)

第2話、滝口入道

ゆかりのある場所は滝口寺。滝口入道と横笛の境遇に思いをはせます。
主人公はすごく足の綺麗な女性”斗貴子(ときこ)”30歳、独身。
年下のダメ男のことが忘れられずストーカー気味になったが・・・というお話。

ダメ男がダメ男だなぁと思いました。

第3話、想夫恋

ゆかりのある場所は清閑寺。高倉天皇・建礼門院徳子・小督局の境遇に思いをはせます。
主人公は同級生と結婚した”琴香”30歳、子どもはいない。
突然、離婚届が机の上に置いてある状態から物語が始まります・・・。

琴香は性行為が好きではないんやって。

第4話、萌えいづる

ゆかりのある場所は祇王寺。祇王や仏御前に思いをはせます。
主人公は土産物屋で働きながら手作り小物をつくっている”陶子”33歳。
妻子ある男性の愛人になったけど、”つぶら”という女に奪われ、振られ・・・。
そのつぶらが突然あらわれて・・・。

意外なお話でした。

第5話、忘れな草

ゆかりのある場所は長楽寺。徳子に思いをはせます。
主人公は最近離婚した”志奈子”33歳。
でも、別れた夫とたまに会っている、なぜなら・・・。

全てのお話のまとめになっていて、最初の伏線も回収されてスッキリ。

女の幸せって

主人公がみんな不幸せそうなので、女性の幸せについて考えてしまった。
小説を読んだ程度で一般論を持ち出すのは良くないけど、2つは当てはまるのかなぁと思います。
1つは子どもを産み育てることは、色々な安心感を得られて幸せになれそうですよ。
もう1つは既婚者との不倫は、結婚する機会をロスしちゃうのでやめといた方がいいですよ。

不倫が長く続けられるのは、会いたい時に会えないという状況によって恋心が持続できるからではないでしょうか。
希少性によって、価値が高まるという感じかなぁ。
不倫の方が恋に燃えるってのは、ただの勘違い現象だろうなぁと思います。

と、いう風に考えるわけですが、リアルな大人の恋模様はどうなのでしょうか?
院政時代よりも、大人の恋模様の方に興味しんしんになってしまいました。

また官能小説を読みたいです!

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投稿者: 石黒わらじろう

京都の古い民家で暮らしている。 趣味はランニングとブログと盆踊りを含むフォークダンス。 別名義で書いた小説は映画の原作として採用された。 自分で建てた小屋にて暮らしていたことがある強靭な狂人。 地球にも自分にも健康な生活がしたい。

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