人ゴミは嫌だ、でも賑わいを欲する。
不思議な生き物だなぁ自分って。

これは2017年6月5日(月)のお話。

目的地を定めないジョギング

ジョギングが習慣になってから、5年くらい経ったのかなぁ。
楽しく走ってビールを美味しく飲む会に参加するために走り出したのが、いつからか習慣になり、体調の良さを実感するようになった。
逆にサボると調子の悪さを痛感することになる。

ペースは週に2回、5㎞くらい。
これだと気負わなくても実行できる。

5月に入ってからは、花粉が気になるようになった。
河川敷のイネ科が怖い。
カモガヤとか。
実際には黄砂にやられているのかもしれないが、目がかゆくなったり頭皮がかゆくなったりという症状にさいなまれる。

これまでは宇治川河川敷が定番コースになっていたが、最近はコースを定めていない。
家を出てから『さて、どっちに向かって走り出そうか?』って考える。
どうしようか迷う。
自分の人生にちょっと似ている。

浴衣

河川敷を避けるとなると、住宅地に向かって走ることになる。
『萬福寺方面に行こうかなぁ』と思いつつ、交差点ごとに気の向いた方に進む。

午後6時をまわっているが日が長い。
犬と散歩中の人、迷彩服の人、仕事帰りと思わしき人とすれ違う。

浴衣姿の女の子を追い抜いた。
そうか、今日はあがた祭りが行われているんだったな。

あがた祭り

あがた祭りとは、宇治の縣(あがた)神社のお祭りです。
闇夜の奇祭という風にも伝わってくるし、男女が自由にMake Love するお祭りという説も聞いたことがある。
『ヤバイ祭りだな』という印象を持っていた。

宇治を舞台にしたアニメ「響けユーフォニアム」にもあがた祭りは登場し、女の子同士の友Loveな描写が描かれていた。

話には聞くものの、私はあがた祭りに行ったことがなかった。
文化圏が違うというのが大きな理由だと思う。

乱れた交わりも昔の風習だろうしね。

引力

京阪宇治線黄檗駅の近くまで来た。
足取りの軽い人たちが多い。
祭りに向かう人達なのだろう。
沿線は祭りのワクワク感が漂っている。

三室戸駅まで進んだら、引力のようなものを感じて、引き返そうとは思わなくなった。
祭りが見たいのか?
大勢の人が見たいのか?
運命の出会いがあると思うのか?
人が集う場所に向かってしまうのは人間の性なのかもしれない。
人ごみは嫌いなはずなのに、不思議なものだ。

予想以上

あがた祭りは予想以上だった。
『祇園祭と同じくらいの人出やん!』ってビックリした。
(↑もちろん違う)
午後7時前後だったと思う。
中学生や高校生たちが多い。

あがた祭

宇治橋商店街を見渡しても、人だらけ。
縣神社の方向も、人だらけ。
すごい。

あがた祭りの縣神社鳥居

さらに、平等院の方から抜けて縣神社へ。

縣神社の祈祷

そこから西の方向にも露店が伸びていてビックリした。

縣神社から西へ延びる露店

私はあがた祭りを侮っていた。
京都伏見を代表する御香宮の祭よりも露店の規模が大きいとは!
まぁ、御香宮は8日間続く祭りなので規模を比較すべきではないのだが、1日の賑わいとしては優に超えている。
普通の月曜日だというのに。

宇治には活力がある。

ぽつん

私はトレーニング用のTシャツとハーフパンツ姿なので、祭りの場には似つかわしくない。
ぽつんと佇めるはずがない。
写真だけ撮って、人の流れとは逆に走り去る。

1人で祭りに来ることはないだろう。
友達と来ることもないだろう。

唯一考えられるとしたら、お祭りが好きな彼女ができた時くらいか。
『お祭り、大好き~』とか言いながら、キャッキャしてくれる彼女を妄想した。
浴衣姿と上目遣いと、下駄を履きなおすためにかがむ姿まで妄想した。

急に冷えた風が吹いてきて、日も暮れて、帰路は足取りが重くなり、切なくなった。
思いを振り切るように、宇治川河川敷を走り抜けた。

何かのぬくもりを求めているのだろうな。
どっちに向かって走り出せば良いのだろう。
目的地のない人生はつづく。

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投稿者: 石黒わらじろう

京都の古い民家で暮らしている。 趣味はランニングとブログと盆踊りを含むフォークダンス。 別名義で書いた小説は映画の原作として採用された。 自分で建てた小屋にて暮らしていたことがある強靭な狂人。 地球にも自分にも健康な生活がしたい。

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