盆踊りは祈りだと思っている。
お盆だから祈らないとね。

2017年8月16日(水)、五山の送り火の日でもあるが、松ヶ崎の“題目踊り・さし踊り”に行ってきた。
祈りの盆踊りだった。

例えば自分が霊体になったとして、お盆の最後はここで締めくくりたい。
安心してあの世に帰れる、かっこよさと厳かさだった。

盆踊り疲れ

皆様お元気ですか?
私は疲れています。

掛け持ちで仕事をしています。
昼間は調理の仕事、夜は盆踊りあらし。
あぁ、盆踊りは仕事じゃない。

でもこの『行かねばならない!』ってプレッシャーは仕事のようだ。
今夜は松ヶ崎の題目踊りが行われるので、疲れた体にムチ打って家を出た。

松ヶ崎 題目踊り さし踊り

ネットで盆踊りを調べていたら、この存在を知りました。
日本最古の盆踊りかもしれないとか。
ここに行けば盆踊りの源流を知れるという期待。

行くしかないでしょう。

五山の送り火

15日、16日に実施されるのですが、15日は東寺に行っていたので16日に。
そしてこの日は五山の送り火だ。
ちょうど午後8時前、松ヶ崎駅は人で賑わっていた。

しばらく経つと、こんな感じ。

五山の送り火妙

「妙」を間近で見るのは初めてだった。
肉眼で見ると、迫ってくるかのように大きい。

そして急いで東に移動すると、こんな感じ。

五山の送り火法

「法」です。

パチパチって燃える音が聞こえてくるくらい近かった。
非常に近い場所なので、妙と法は一度に見れなくて、みんな北山通を大移動していた。
慌ただしいことだ。

送り火が目的ではなかったが、京都の風物詩を楽しめるのは良い。

涌泉寺

では目的地の涌泉寺へ。
浴衣を着た人たちが同じ方向に歩いている。
妙法の送り火をデザインした浴衣だから地元の人なのだろう、期待が高まる。

さし踊り提灯

けっこうのんびりした行事だ。
開始30分前を過ぎてから、提灯を灯したりしている。

踊りを待っていると、「法」の火を見守った人たちが山から下りてこられる。
かくも有名な伝統行事に携わる人たちはかっこいいなぁと思う。

題目踊り

さていよいよ、念願の題目踊り。
まず、そろいの浴衣が素敵です。
妙法のデザイン。
女性は前掛けのようなものをしているのですが、それが古風で田舎っぽくっていい味出してる。

題目踊り浴衣

最初は太鼓ととともに題目の詠唱があり、そのまわりを踊り手が周回します。
これがめっちゃカッコよくて、自分の背筋までピンとなった。
太鼓の叩き手と踊り手が同時に屈む動作があって、そこに熱心な祈りを感じる。

松ヶ崎題目踊り

題目は男女が交互に詠唱して、掛け合う感じもいい。
歌っているような、唱えているような不思議な感じ。

『すごい伝統行事が残ってるなぁー』
自分が霊体になったとして、お盆の最後にこれを見てあの世に帰るなら、とても満足できるだろうなぁ。
そう思って、空を見上げた。
深い夜空が広がっていた。

題目踊りにもいろいろなバージョンがあるようで、太鼓が使われるのは最初だけです。
その後は扇子を使った踊りになりました。
太鼓がなくなり、アカペラでの題目。
踊りもワンパターンなので、ちょっと長く感じる。

男性の踊り手は左手を腰に当て、右手の扇子で膝をパタパタやりながら一歩づつ進みます。
かたや女性は、前かがみでうつむいたまま、両手の扇子で膝をパタパタやりながら一歩づつ進みます。

題目踊り扇子

しおらしく見えていいのですが、ちょっと男尊女卑な踊りですねー。

ここでもハートを

そんな風に興味深く観賞していました。
踊り手の中に美形の女の子がいたのです。
武井咲のような、凛とした感じの。
『題目踊り界のヒロインやなぁ~』って思った。

踊り手は周回しますので、順にその子も私の前に歩みを進めるわけです。
私の前をまもなく通過しようかという時、本来であればうつむいたままのはずが、ふと目が合った。
するとその子は、一筋だけ垂れた前髪をふわっと後ろにかきあげた。
その仕草がすごく艶っぽくて、瞬時にハートを射抜かれてしまった。

しばらくドキドキが治まらなかった。
提灯の下、浴衣の君、しおらしく上目遣いで前髪をかきあげる。
その姿が瞳の奥に焼き付いてしまった。
さっき見た「妙」の送り火なんか思い出せないくらいに。

さし踊り

さて、踊り子と目が合ったことを大袈裟に書いてしまいましたが、題目踊りが終わるとさし踊りになります。
さし踊りは一般人でも参加できます。
洛北では他でも踊られているそうです。

松ヶ崎さし踊り

もちろん参加しました。
動きが地味なので、正解の動きがよく分からなかったです。
特に手の動きが人それぞれ違って、誰に合わせて良いのやら。
私はかなり変な動きをしていたし、手拍子のタイミングを何度も間違った。
楽しむ余裕のないまま終わったという感じです。
10分くらいだったのではないでしょうかね。
『1時間くらいやろぜー』って思いました。

ともかく、祈りの踊りに参加できて良かったです。

帰りの電車で

帰りの地下鉄にて、知り合いとばったり会った。
「wishigrowさんのワラクリを見て、市原ハモハ踊りに行ってきたんですよー、ありがとうございます。」って。
おぉ、ワラクリ、活躍しとる!

市原ハモハ踊りも気になっていました。
その人の話によると、念仏があって、地元の人たちの鉄扇踊りがあって、その後は江州音頭だったそうです。
足の動きが難しかったとのことで、正調ではなさそう。
来年は参加してみたい。

まとめ

題目踊りはかっこよくてとても見ごたえがあった。
妙法の送り火を見てから行けるというのもポイントが高い。
盆踊りは祈りだと思っているので、その源流に近いものが見れて充実。
伝統行事が受け継がれていてすげえなぁと思いました。地域の力が強いんでしょうね。

私も祈ろう。
「君に幸あれ」

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投稿者: 石黒わらじろう

京都の古い民家で暮らしている。 趣味はランニングとブログと盆踊りを含むフォークダンス。 別名義で書いた小説は映画の原作として採用された。 自分で建てた小屋にて暮らしていたことがある強靭な狂人。 地球にも自分にも健康な生活がしたい。

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