心から登山を楽しむようにようになってしまった。

2017年11月12日(日)、比良山に登ってきた。
総勢13名での賑やかで華やかな登山。

錦秋を満喫したじゃねぇか、クソ野郎。

いつものお誘い

すでに恒例になっている、Webプログラミングの先生との登山。
これまでに、大文字山、比叡山、比良山と色んな場所に同行した。

今回の登山は初夏と同じく比良山系。
ルートは比良駅→イン谷口(登山口)→ 青ガレ→ 金糞峠→ 八雲が原→ 北比良峠(ダケ道)→ カモシカ台→ イン谷口→ 比良駅。
比較的短いがダイナミックなコースとのこと。
北比良峠は標高970mとのことなので、比叡山や愛宕山よりちょい高いくらいです。

忍電車

いい環境

曇り空が予想されていたのだが、時折あたたかな日差しが降り注ぐ気候。
山に慣れた先生が先導してくれて、11名の仲間がいる。
先日ひとりで鷲峰山に登った身としては、バツグンに楽しい環境なんですよね。

登山イン谷口ミーティング

13名のうち7名が女性ということもあって、華やかだ。
「わー、きれいな紅葉だー」
「すごく晴れてきたー」
という声を聞くだけで、いい企画だと思ってしまう。

何か悪態をついてやろう、この場に似つかわしくない発言をしてやろうと試みるのだが、何も言えなかった。
同じものを見て、同じ空気を吸って、同じ気持ちなっていることに満足してしまうし、何よりも彩りあふれる広葉樹たちが本当に美しいのだ。

錦秋比良山

比良山の魅力

比良山自体も魅力のある山で、高度を上げるたびに山の雰囲気が変わって飽きることがない。
紅葉の森を歩いているかと思ったら、険しい岩場にになる、琵琶湖の展望が美しい場所、草原が広がる場所、移動する喜びを感じさせてくれる。

比良山登山青ガレ

あぁ、なんてこった、先生の影響を受けてしまっているじゃないか。
つい「山はいいなぁ」って口走ってしまいそうだ。

ディスりながら登るスタンスだったはずなのに。

ディスるスタンス

「殺す気かー」とか、「何のために登るのか意味わかんねー」とか、「華がないぞ」とか、ネガティブな気持ちで登るのがこれまでのスタンスだった。
特にこのワンゲル道を歩いた時に、それが凝縮されている。
殺す気か!比良山系の釈迦岳に登らされる。ワンダーフォーゲル!

しかし、今回は「充ちている」としか思わなかった。
とてもいい環境で登らせてもらっているという感覚。

金糞峠へ向かう

強いて言うなら、昼食の場所のセンスがないってことだろうか。
他のメンバーもそう言っていた。
微妙な場所で昼休憩にするんですよね。
先生にとって昼食は楽しみではなく、単なる栄養補給なんだろうなー。
こっちは1時間早く起きて、お弁当を手作りしてるっていうのに。

お弁当

S君の功績

お弁当といえば、昼食の時間から遡ること3時間半ほど前、私は電車乗り換えのため山科駅にいた。
そこで、同じ登山メンバーであるS君に出会ったのだ。

軽く挨拶を交わし、こう伝えた。
「お菓子を買うから、ちょっと寄るし。」
私の滑舌が悪かったのだろうか、S君はこう言った。
「おはしですか?」
「いや、お菓子、お菓子。」って訂正したのだが、その時ハッ!って思った。

お弁当を手作りしたのは良いが、お箸を忘れていたのだ。
危うく山の上でお箸がないことに気づき、途方に暮れるところだった。
達成感を得られるはずの場所で、自分が嫌いになるようなミスに気づくなんてまっぴらゴメンだ。

駅前のコンビニでお菓子とお茶を買ったついでに、お箸をもらい事なきを得た。

そんな風に私に貢献してくれたS君であったが、急遽登山への参加を辞退することになった。
私にお箸を持たせるために山科駅まで来てくれたかのようだ。

S君

あの日を再現

S君のお陰で無事お弁当を食べれた。
その後は八雲ヶ原を散策し、北比良峠のパノラマビューを見る。
最後にパノラマビューなんてドラマティックなルートを選ぶなぁ、やるなぁ。

北比良峠

さて、下山です。
下山のルートは前述したワンゲル道の時と同じだと気づく。

道の途中で、先頭にいる先生がわざわざ最後尾にいる私を見ながら言ってきた。
「この辺は、ようけ雪が積もるんやで」と。
本来であれば流してもいい情報なのだが、これに対する返答は決まっている。
「何センチくらい積もるんですか?」と私は返すのだ。
先生は答える。
「ようけや。」
答えになっていない。

先生と私の間には11人ものメンバーを挟んでいる。
それでもするこのやり取りは、ワンゲル道の時の元気な爺さんエピソードを再現しているのです。
詳しくは記事をおさらいしてもらえれば良いのですが、私にとっては今日の山を楽しむとともに、過去の思い出も楽しむことができて、どうしてもニヤニヤしてしまいます。

小さなエピソードですが、見知らぬ爺さんと会話する自分、そんな思い出をアーカイブする能力、それが先生にも伝わっていて、再現されてニヤニヤしてしまう。
自分の過去がまるごと愛しくなるような気分。

紅葉の比良

世界がキラキラしている

その後は、比良駅に戻り、駅前の一休で下山後のビールを飲む。
さらに、一部のメンバーで京都駅に降り立ち、9時くらいまで飲んだ。
大満足の1日になった。

最初に目指した金糞(かなくそ)峠にちなんで、こういう感想を残しておこう。
「錦秋を満喫したじゃねぇか、このクソ野郎。」

このブログ書いている今日も楽しい気分でいる。

登山の翌日は世界がキラキラして見える。
足は重くなっているのだが、心は軽くなっている。
なぜそうなるのかは分からない。
いつかその気持ちを言語化して、みんなを山にいざなおうと思う。

再リンク→殺す気か!比良山系の釈迦岳に登らされる。ワンダーフォーゲル!

初夏のものはこちらです。
登山に出会いを求めるのは間違っているだろうか(蓬莱山の話)

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投稿者: 石黒わらじろう

京都の古い民家で暮らしている。 趣味はランニングとブログと盆踊りを含むフォークダンス。 別名義で書いた小説は映画の原作として採用された。 自分で建てた小屋にて暮らしていたことがある強靭な狂人。 地球にも自分にも健康な生活がしたい。

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