今日は読んだ本の話。
明日は読書会なので、喋る前にブログでまとめておくパターン。
6人か7人集まりそうです。
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加納朋子さんの「ななつのこ」を読了しました。
カラスなぜ鳴くの、カラスは山に、かわいいななつのこがあるからよ。
という歌がありますけれど、このななつのこの意味するところは、7羽の子なのでしょうか? 7歳の子なのでしょうか?
こんな幾重にも意味の重なる言葉がありますが、この「ななつのこ」という小説も不思議な構成をしています。
主人公は女子短大生の駒子。女子同士のキャハキャハした日常と小さな事件で物語が進みます。
しかし、駒子は「ななつのこ」という絵本の話をするのです。絵本の主人公ははやて。この少年の物語も追うことになります。
さらに駒子は「ななつのこ」の作者にファンレターを送り、返信をもらうのですが、その手紙に小さな事件の推理が書かれているのです。
幾重にも重なるストーリー。
やはり、7章で構成されておりますが、1章ごとに完結を迎える連作短編集です。
1992年に発行れた本ですので、2021年からすると29年前の作品。41歳の人は12歳だった頃かぁ。
電話の描写は固定電話だし、デパートの屋上が盛り上がっている描写があるし、このあたりに古さを感じました。
短大生というのも今やレアな存在なんですよね?
夏を舞台にした作品で、夏の子、という意味も含まれてるのかなぁと考えたりもしました。今の季節にピッタリくる作品。
面白かったんです。
途中で絵本のストーリーが挟まれるので、思考が右へ左へと宙に浮くような感じ。
だけれども最後には書簡体でズバッと事件が明るみになるので、スッキリします。気持ちの良い構成です。
私にとっては駒子のストーリーより、はやてのストーリーの方が印象に残ってる。抽象化されてるからだろうか。
メインの主人公が語った話が印象に残るって、不思議な感覚ですね。
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さて、カラスって、7羽も子どもを産まないらしい。
また、カラスの7歳は子どもではないらしい。
存在し得ないカラスのななつのこ、、、
何か不気味な感じがしますね、、、
以上です。
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