私は長らく経営者になりたいと思っていた。
実家が商売していたので当然だと思っていたし、利益を生み出す人こそ社会の中で最も重要な存在だと考えていた。
政治家、芸能人、公務員、教育者などよりも、経営者に対する憧れが強かった。
これは高校生から最近に至るまで思っていたことだ。

この度、とある創業塾を受講した。
2022年1月8日(土)から、全5回。
10:00~17:00で30時間。
1日だけオンラインなものの、4日はリアル開催とのことで募集をされていた。

受講のきっかけは? というと。
私が小屋暮らしをする前のことなので、およそ3年前に、店舗を借りようとした。コロナ前であったし、当時は人狼ゲーム会などもやっていたし、おむすび屋をしながらボードゲームなどで集まれる事業を模索した。
だが、狙ってた物件は借りれず、そのまま頓挫。
小屋暮らしを先にやってやろうと決意することになった。

この時の想いがまだ残っていて、何かやり残している気がするし、この時に相談した人から講座を案内をされるし、京都検定2級に受かったし、ってことで、創業塾の受講を決意。
11000円。1日2200円。高くない。

1日目の講座は、とてもテンションが上がりました。
京都のとある場所に30人ほどが集まり、みんな何かをしようと夢を持ち、初めて出会う人と喋り、自分は何をしようかと考えた。
創業計画書を何枚も書いてみよう、と思った。

しかし、事態は急変する。
オミクロン急拡大。
残りの4回すべて、オンラインでの開催に変更されました。

真面目に受けたんです。
ディスプレイに映るよく知らない人たちを見て、さほど尊敬の念を抱かない講師の話を聞きました。5時間もの間、PCに囚われているようだった。
これは2回が限界でした。異常なストレスが溜まりました。
私にとっては、オンラインになった時点で脳が動画コンテンツとして認識してしまうようで、リアルタイムでPCの前に座らされていることに違和感しか感じない。
「つまんねえぞ」「早送りさせろ」
と、思ってしまうのが現実です。
もっと良質な動画コンテンツは山のようにある。
なぜ、ゆったり喋るこんな奴らに付き合わねばならんのか?

この後は、受講の証明書がもらえる5時間に絞って、我慢して受けましたけれど、最も学んだことと言えば、
「オンラインセミナー(ウェビナー)は二度と受けない」
という点でした。

オンラインセミナーに嫌悪感を抱くのは、何らかの発達障害や、HSP的な資質のせいかもしれない。
この場合は、時代に取り残されるかもしれないし、他にもそういう人がいるかもしれない。いずれ症状名が付くんじゃないかと推察する。

あるいは、そういうストレスを乗り越えてまで創業しようという気持ちがないのかもしれない。
ただ勉強が嫌なのを、オンラインのせいにしているのかもしれない。

このあたりの自分の心理は分からんし、今のところは分析する必要を感じない。

創業塾を受けた結果
・オンラインセミナーは二度と受けない
・創業塾はつまらない
・経営もつまらないのではないか?
・経営者への憧れは消えているのではないか?

こう思うことになりました。

数字で評価される世界なんですよね、経営って。
仮に悪いことをしても、人を傷つけても、地球環境を悪化させても、利益さえ出せば崇められるし、利益がでないと失格なのです。

……いや、別にこれはあえて文句を言ってるだけで、本当の違和感の正体ではないかも。

とにかく、経営者のマインドになりたくない自分がいるようです。

心の中に、芸術家が住んでいるのかもしれない。
そいつが言う。
「生産性で俺の人生を測るな!」
「利益を上げたかどうかで、人の価値が決まるかよ!」
「マーケティングする時間があるなら、もっといいものを作り出せ!」

なるほど、芸術家よ、一理ある。
私はこう返したい。
「寝とけよ芸術家! 結果出してから言え!」

私は長らく経営者になりたいと思っていた。
今はただ、獣になりたいと思っている。
(笑)

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投稿者: 石黒わらじろう

京都の古い民家で暮らしている。 趣味はランニングとブログと盆踊りを含むフォークダンス。 別名義で書いた小説は映画の原作として採用された。 自分で建てた小屋にて暮らしていたことがある強靭な狂人。 地球にも自分にも健康な生活がしたい。

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