玉子にこだわる人はそこそこ多い。
拙者は普通のL玉で良いのです。10個入り198円くらいのやつ。1つ20円ですね。
こだわる人は、10個入り450円くらいのを買うのではなかろうか、平飼い玉子、1つ45円。
しかし今回、拙者は6個入り582円の玉子を買いました。
1つなんと97円! 高っか!
鼻血出るわ!

なぜ1つ100円近い玉子を買ったか?
それはタイトルの通り、ひよこを孵したいから。
要するに有精卵が欲しかったのです。
近所には売ってないので、比叡山の麓まで行った。

有精卵

スーパーに売っている普通の玉子を温めても、ひよこは孵りません。
なぜなら無精卵だからです。
平飼いとか、自然派とか、エサヘのこだわり、とか書いてあっても、無精卵ではひよこは誕生しません。
必要なのは有精卵です。

売ってるところ

この有精卵を売っているスーパーを知っていますか?
拙者は成城石井で売っているのを見たことがあるけれど、いつどこの店舗で見たのかは忘れてしまった。15年以上前の東京での出来事だったかもしれない。

2022年10月、京都の四条・三条界隈のスーパーを巡ってみたのですが、有精卵は売ってませんでした。
これは有精卵を欲しがる人がいないのでしょうか? 栄養価に違いがないことが知れ渡ったのでしょうか? 付加価値が必要ないほどに貧しくなったのでしょうか?
分かりません。

あくまでも市場調査みたいなものだったので、がっかりはしていません。
現代ではネット通販で事足りますからね。
しかしながら、ネット通販はロットがでかくなる。
ちなみにamazonの10個入り有精卵は、573円と安いが、送料が840円になっている。1413円だから、1つあたり141円。

ヤフオクやメルカリなどでも有精卵の取り扱いはありますが、だいたいこれ以上の値段を覚悟せねばならない。

ここは足で稼ごう。
グーグルマップで検索しますと、農園の直売所が見つかるので、直接そこに行くのが最も安く手に入る。
時間はかかるけど、輸送が自分なので安心だ。
情報は多くないけれど、京都の場合は大原に農園があり、修学院に直売所があるとのこと。

拙者の住まいから修学院まではバイクで50分ほどなので、ぜんぜん近いほうだ。
だが、往復1時間40分を卵のためにつかうのは、いわゆるタイパが悪い。ネットで買う方が合理的だと思えてくる。
行こうか? 行くまいか?
いつもの出不精を発揮。

こういう時の合言葉は「阿呆になれ」です。
孵るか孵らぬかわからぬ卵を手に入れるために、1時間40分つかうのは、馬鹿げているのだが、阿呆なことをやってこそ我が人生。
こうやって冷笑主義を封じ込める。
大丈夫、大丈夫。誰も打ちたがらないしょぼい一手を積み上げれば、誰にも歩めなかった人生になるよ。

こうして時代祭の京都を縦断し、修学院へと向かう。

山田農園たまご工房

比叡山

修学院駅から鷺森神社や比叡山に向かう道沿いに、直売所がある。

山田農園たまご工房

ここは有精卵「野たまご」の他、野たまごを使用したプリンやシュークリームなどのスイーツも売っています。
10時からのオープンで、火曜・水曜が休みだと手元の資料に書いてある。

欲しかった有精卵が並んでいる。
拙者は目的の卵1パック6個入りを買いつつ、せっかくここまで来たのだからとシュークリームを買って、どうせならばとプリンも買って、結局お会計は2632円になりました。
……ネットで買うより高くついちまったぜ。

買った有精卵は、バイクの振動が伝わらぬようにリュックの中に入れ、宝が池公園でゆっくりすることもなく、一乗寺のラーメン屋にも寄らず、ひたすら我が家を目指して安全運転で走行しました。
時代祭のパレードに阻まれ、イラッとしつつ、大事に大事に持ち帰りました。

お家にて

シュークリームと頑丈なマグカップ

シュークリームはサクサクシューで、「うまぁ」となりました。
マズいシュークリームなんて別になくて、コンビニのやつでも美味しく食べられる拙者ですけど、このシュークリームに特別さを感じました。脳汁がジワっと出る感じのアレ。
シュークリーム好きな人は食べてみて。

夕方になってから、有精卵を自作孵卵器の中に入れた。

自作の孵卵器

お気づきでしょうか?
6個買ったけど、孵卵器の中には卵が5個。
そうです、1つとは一緒に生きることにした。

有精卵

この、右上にうっすらある小さくポツンとした丸が核だろうか。
これが有精卵のしるしかもしれん。

卵かけご飯

玉子の味わいを感じるために、卵かけご飯にしました。
もちろん美味しいです。雑味もないし。
でも、味とかそういうのじゃなくて、これほど命を感じる玉子を食べたことがなくて、はむはむズリズリと食べながら「一緒に生きていこう。拙者の一部になってくれ」と感謝の念が湧いてきたのでした。
ひよこが無事に生まれてきてくれたら、ある意味において拙者の兄弟みたいなもんだな。

以上、
たいへん苦労して、有精卵を手に入れた話でした。
ここまでして、ひよこが孵らなかったらショックですよね。
この日から21日間、温度や湿度を管理しながら、ハラハラドキドキ過ごすのです。

ひよこは孵るのでしょうか?
すでに何度か重大なミスを犯しているのですけど……。

つづく!

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投稿者: 石黒わらじろう

京都の古い民家で暮らしている。 趣味はランニングとブログと盆踊りを含むフォークダンス。 別名義で書いた小説は映画の原作として採用された。 自分で建てた小屋にて暮らしていたことがある強靭な狂人。 地球にも自分にも健康な生活がしたい。

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