拙者は小説家になりたいと公言している。
しかし、歌手になりたいと言いながらカラオケに通うような感じで、実際は小説をカリカリと書いているわけではない。
現状では夢見るだけで残念なヤツなのだが、ちょっと待ってて、ちょっとづつ階段を上ってる感じはしてるから。
こうして毎日ブログも書いているしさぁ、ご覧の通りトレーニングは続けているのだよ。

要するに道半ばなのだが、この時点においてでも豊かさが得られた気がする。
小説家を目指しトレーニングすることによって豊かになれている。

これはあながちファンタジックな話ではなく、そこそこ論理的な話で、例えば料理人になりたいと望む人が料理の修行をすることによって食卓が豊かになるのと似ているし、大工見習いの自宅が豪華になっていくような、ダンサーを目指せば姿勢が良くなるような、当たり前の話だ。

では小説家を目指すことにより何が豊かになるのか?

・自然観察眼
・想像力
・文章表現力
・心の中の友達
・揺るぎない価値観

自然観察眼

小説家になるには風景描写が肝心で、美しい風景を作品に取り入れて細密に書き込み、読者の心を揺さぶらねばならない。
作中に爽やかな風を吹かせ、読者の心をさっと涼やかにする。
そのために最近の拙者は、夕日はどんな色かとか、この季節はどんな花が咲くのか、どんな匂いがするのかなどなど、できるだけ観察するようになった。
ぜんぜん未熟なのだが、以前よりは風景や四季を五感で感じ取るように心がけており、それゆえ豊かになっている。

想像力

小説家になるには想像力が必須である。自分で体験し得ないことを書くことがあるからだ。
最近は想像力の翼を広げまくっており、とめどなく妄想するように練習している。もし交通事故を起こしたとすればこれが原因かと思う。
どこにいてもニマニマできるし、ARもVRも不要なくらい別世界に飛んでいる。
一般人視点ではヤバい奴だが、小説家としては豊かである。

文章表現力

風景も、心情も、色、形、表情など何でも文章で表現せねばならぬのが小説家であり、この現象を文章にするには何と書くかなぁ? と頭を巡らせる。
何かを見た時に言葉で表現できたものは頭に残りやすくなった。
感動を言葉にできたとしたら、心の再現がしやすくなる。
面白い話も、恥ずかしい話も人に伝えやすくなる。
これはかなり豊か。

心の中の友達

小説家になるには小説を読まねばならない。
たくさんの小説を読むと、それらの主人公たちが心の友達になってくれる。
心の友達は何らかの決断をする時に、ふとアドバイスをくれるかもしれない。
「想像力で乗り越えよう」と言ってくれるかもしれない、「悔しくても耐えよ」と言ってくれるかもしれない。
本当の窮地に陥った時に助けてくれるのが、こういう友達であり、ビジネス書にはない小説の力なんだよなぁ。
心の友達が増えて、読めば読むほど豊かになる。

揺るぎない価値観

人間社会で生きていると、あらゆる尺度で評価される。
年収、仕事、外見、着てる服、アクセサリ、モテるかどうか、フォロワー数、いいもん食ってるかどうかなどなど。
しかし、叶えたい夢が1つあれば、すべてがどうでも良くなる。
他人の価値観はどうでも良い。
書けるか否か、それだけだ。
揺るぎない価値観はここにある。


そして、きっとここからなんだろうなぁ。
この豊かさをおすそ分けできるようになった時に、小説家になれるんだろうなぁ。
料理人も大工もダンサーもおすそ分けできるようになってからがスタートだろうしね。

以上、道半ばだけれど豊かになれた話でした。

募集中のイベントはありません

投稿者: 石黒わらじろう

京都の古い民家で暮らしている。 趣味はランニングとブログと盆踊りを含むフォークダンス。 別名義で書いた小説は映画の原作として採用された。 自分で建てた小屋にて暮らしていたことがある強靭な狂人。 地球にも自分にも健康な生活がしたい。

コメントをどうぞ

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です