この世界には3種類の盆踊り会がある。
1つはめちゃめちゃ楽しい会、もう1つはそこそこ楽しい会、最後の1つは若干ガッカリする会である。
めちゃめちゃ楽しい会に参加するとどうなるかと言うと、翌日にある感情が芽生える。
「今日もあの場所に戻りたい」
あの場所というのは、文字通りに場所を指すわけではなく、あの日あの時あの場所でみんなで踊った時間と空間のことである。二度と戻ることはできない。
あの場所が再現されるとしたら、1年後である。
1年も待たせる気かよ、と思う。
2024年7月21日(日)、高島おどり、めちゃめちゃ楽しかった。

拙者にとって高島おどりは3年目の3回目である。
毎回全力で踊っているし、その楽しさを称賛するブログも書いているし、実行委員会の方々とも顔なじみになっている。ゆえに欠席は許されない。欠席しようものなら電報の1つでも送るべき状況。
今回ですら、拙者が私服で会場に現れようものなら、「まさかの普段着!」と江頭先生に言われた。
めちゃめちゃ急いで来たんだぜ。亀岡市から炎天下の中をバイクでぶっ飛ばして来たんだぜ。ハンドルをギンギンに握ってたせいで手がシビれてるんだぜ。と心の中で弁明した。
そして大丈夫。ペラペラの浴衣も、ピンク色の地下足袋もちゃんとバイクに積んである。
怪しいやつになる準備はできているぜ。

どうやら高島おどりに必要なピースの1つが、怪しいやつらしく、怪しいやつの姿が高島おどり公式SNSに掲載されたりしている。
大丈夫なん? 参加者へるんちゃうん? と心配になる。

しかしこの怪しいポジションこそが拙者にとっての魅力なのだ。
他の盆踊り会によっては、見本にならねばならない時や、型通り踊らねばならぬプレッシャーを受ける時がある。あるいは、全力を出しすぎると場を呑み込みすぎて荒らしてるみたいになる時がある。
これが、高島おどりなら大丈夫!
江頭先生をはじめ、地元の方々がしっかりと正当な踊りを踊っておられるし、ガチガチのガチ盆踊らーが集結しているし、拙者が大暴れしてもびくともしない太い幹があって、もっと跳べるか? もっと動けるか? と探求しているうちに、汗ダクダクになって、すべての体力が奪われて、最終的には唄とお囃子とうごめく体だけになって、体が意識を凌駕していく。
これぞ踊りの楽しさだ。

怪しいやつのままで楽しみ続けたいのだが、高島おどりは年々幹が太く育っているので、はねのけられてしまうかもしれない。
去年はお立ち台が導入され、今年は生音頭が1曲増え、若鮎ちゃんたちが結成された。
若鮎ちゃんというのは、高島おどりの見本となるお立ち台で踊る若い女の子たちのこと。盆踊らー視点ではどう取り扱っていいのか分からないのだが、オジサン視点ではみんなアイドル仕草をしてて、可愛いな、良かったな、と思うところ。
特に黄色の子がめちゃめちゃ可愛い。土屋太鳳にしか見えない。
せっかくなので一緒に写真を撮ってもらったのだが、喜びで手が震えた。

若鮎ちゃんたち、高島おどりをもっと盛り上げてくれ!
徹夜踊りにしてくれ。
休憩時間はもう少し短くしてもらってもいいよ。

来年こそ、もっと大暴れすべく、強靭さと狂人さに磨きをかけるぞ! と悲しい決意をするところ。
今日もあの場所に戻りたいんだよな。

以上

募集中のイベントはありません

投稿者: 石黒わらじろう

京都の古い民家で暮らしている。 趣味はランニングとブログと盆踊りを含むフォークダンス。 別名義で書いた小説は映画の原作として採用された。 自分で建てた小屋にて暮らしていたことがある強靭な狂人。 地球にも自分にも健康な生活がしたい。

コメントをどうぞ

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です