自然は容赦してくれない。
マナーとかルールとかモラルとかは通用しない。
自衛するしかない。
拙者はニワトリの卵を温めてはヒヨコを孵していたのだけれど、もう何匹も何匹もイタチにやられた。イタチではなくノラネコの可能性もあるが、とりあえずイタチということにしておこう。
セキュリティの甘い拙者が悪いのだが、大事に大事に飼っていたのに、まさか! と思う場所でもやられたりして、辛酸を嘗めている。
ウズラみたいなヒヨコが生まれてきて、どんなふうに大きくなるのか、あるいは大きくならないのかを愉しみにしていたのに、扉で隔てられていたはずの土間から忽然といなくなっていた。
自然は容赦してくれないのに、拙者は平和ボケ、都市ボケである。

こんな風にヒヨコについてブログに書いているので、友人に「ヒヨコはどう?」などと聞かれることがたまにあって、無惨なお話を聞かせることになってしまって、申し訳ないし、言及も少なくなる。
初夏に催したBBQ会では小さなヒヨコを友人たちにお披露目したのに、そのヒヨコたちはもういない。
あるいは鳥好きの友人に対して自慢気にヒヨコの写真を送付したのだが、そのヒヨコはもういない。
だからなぁ、徐々にヒヨコの報告が減っていき、人に見せびらかすというペット飼育の喜びが失われ、もうやめておこうかな、と嘆息を漏らす。
庭に10~20羽くらいのニワトリを放して、コッココッコと動き回る姿を見て、そしてお茶や酒を飲みたかったのにな。

それをこの先も望むなら、イタチを駆除せねばなるまい。

ここで狩猟免許である。
以前から狩猟免許に興味津々で機会があれば取りたいと思っていた。
自然から食肉を獲得するのは拙者の生き方に向いている。
狩猟免許には銃猟の免許もあるが、拙者に銃を持たせてしまうと、見えない自由が欲しいがために撃ちまくって、あるいはここぞとばかりに恨みを晴らしに行きそうで、世の中の平穏が脅かされてしまうので、銃猟はダメだ。自主規制。
拙者が欲するのはわな猟免許である。
わなであれば、動物との知恵比べという感じがして、インテリジェンスが求められる。動物を追いかけるのではなく、置いておくというのもいい。
このわなというものは誰も彼もが仕掛けられるのではなく、ちゃんと免許が必要なのだ。
この資格試験は概ね夏に行われる。

狩猟免許取得についてここで細かくは書かないが、必要なものはお金だ。
試験の費用、初心者講習会の費用、医師の診断書、各種手数料が必要だ。
おおよそ2万円くらいかかるだろうか。
イタチを退治したいという動機では、なかなか割に合わない出費であるが、日本は人口減少してどんどん動物の住処が拡大していくので、これからの時代にこそ必要な資格だ、と自分に言い聞かせた。
あと、ハンターってスキルはちょっとカッコいいしな。

というわけで、先日、高島おどりの日に亀岡で初心者講習を受け、本日、京都府庁で試験を受けてきたのである。
9時半~午後3時くらいまであって、なかなか大掛かりだ。
午前中に筆記試験があり、それにパスすると引き続き技能試験が行われるのだ。
簡単といえば簡単だけど、簡単さゆえ落ちたときのダメージは大きい。
「聞いてた話とちょっと違う」みたいなのがあって、拙者はあまり応用が効かないタイプなので、そのへんで焦りが出てしまう。
合格しているのだろうか?
合格発表までには1ヶ月ほど待たされる。
まぁ、狩猟には狩猟期間というものがあるので、直ちに交付されても意味ない、ということも勉強済みである。
久しぶりの資格試験が終わって、とにかく拙者はホッとしている。

しかし、息を抜くことなかれ。
自然が容赦してくれないならば、こっちも容赦しないぞ。
イタチへの反撃開始を愉しみにしておく。

拙者の手元には1匹のヒヨコがいるからな。
今回ばかりは、なんとか守っていかねばな。

以上

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投稿者: 石黒わらじろう

京都の古い民家で暮らしている。 趣味はランニングとブログと盆踊りを含むフォークダンス。 別名義で書いた小説は映画の原作として採用された。 自分で建てた小屋にて暮らしていたことがある強靭な狂人。 地球にも自分にも健康な生活がしたい。

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