京都伏見の中心地である大手筋商店街を歩いていると、思わず看板を二度見した。
「阿波おどり練習会」
行かねばならぬ、と思った。
踊る阿呆とは、拙者のことだ!
たしか3年ほど前から大手筋商店街で夏に阿波おどりパレードが実施されるようになったんだよな。
知っていたが一度も行ったことはない。
理由の一つは踊りに参加できず、観覧するだけだからだ。もう一つ理由はすでに予定が埋まっている。
拙者は今年も耐熱マラソンに参加するためパレードの観覧は叶わないのだが、練習会が初開催されるとのこと。
踊れるなら行くよ。
言わずと知れた阿波おどりは日本三大盆踊りの一つである。もう一つは郡上おどり。
郡上おどりの方は10年ほど前から京都に進出し普及活動を行なっているが、阿波おどりも京都に攻め込んできた。
ついでに、西馬音内盆踊りもおわら風の盆も都を目指し盆踊り戦国時代を迎えて欲しい。
拙者はどの陣営に参加しようか?
全部行くよ。
そんな期待を持って、実家から近い板橋小学校の体育館に向かう。
体育館の中はむわむわと暑い。
阿波おどりを伏見に迎え入れているのは誰なのか? 小学校の体育館をよそ者が使うのは難しいぞ、と思っていたが、なんてことはない大手筋商店街がサポートしている。
大手筋商店街からミネラルウォーターの差し入れを貰った。
ありがとうございます。
練習会への参加者は50人以上はいたかな。
属性は色々すぎてなんとも言えないが、踊る阿呆と言うよりも運動不足解消のために来た40代以上の人が多いのだと思った。
商店街の看板を見て申し込む層だもんな。
踊りなので、男性よりも女性の方が多いのは間違いない。

そんな層が集まったので、休憩は多めに配慮がされていた。
ほとんど筋トレやないか! と思うくらいにしんどかったもんな。休み休みじゃないと倒れてしまう。
拙者の盆踊りは江州音頭とか炭坑節とかダンシング・ヒーローとかなので、振りを覚えるのが練習なのだが、阿波おどりは違う。
阿波おどりは振りを覚える必要はない。
なぜなら、左足を出して右足出しての繰り返し、左手出して右手出しての繰り返しだからである。
いたって単純、しかし、しかし、そのフォームが大事なのだ。
腰を低く落とす、手を高く上げる。それだけでめちゃめちゃしんどい。
振りを覚えなくて良い分だけ筋トレに近づく。
練習会では足のステップから教わり、次はそれで前に出る、次は手をつける、掛け声を出してみる、次は隊列で踊る、最後は輪踊り。
ステップ・バイ・ステップで教えてもらえるので日本人向けだと思った。
拙者は見様見真似で適当にやりたい盆踊り自由主義なので、あまり向いていない。
それでも、上手く踊りたい、という欲は湧いてくるんだよな。
そして真剣にやればやるほど、どくどくと汗が湧いてくる。踊っているのか筋トレをしているのか分からなくなる。
それでも、拙者は最後の輪踊りが大好きだったな。
小学校の体育館で輪になって踊るなんて、フォークダンスみがあって、大好きな光景だ。
もっとみんなで踊ろうぜ、みんなでな。

聞くところによると、この練習会に参加した人は大手筋のパレードにもニワカ連として参加できるらしい。
踊って大手筋を練り歩くのか〜、爽快だなぁ。
いつも歩いてる商店街を踊り歩くと、景色が違って見えるだろうな。
踊る阿呆の人生をまっとうせねばな。
来年は前向きに検討します!
以上






