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  • 花背のことは話せばわかる(2)狩猟と養鶏

    花背のことは話せばわかる(2)狩猟と養鶏

    この記事は、花背のことは話せばわかる(1)林業女子と自然観察の続きである。
    知人に誘われて、京都市北部の山間部に行った拙者は、色んな人と出会い、新たな発見に心をときめかせた。

    罠の見学

    最初のやまとそらのおうちに戻り、スイカを頂いた後、狩猟の方から猟場を見学してみるか? とお誘い頂いた。
    これは拙者が先月狩猟免許の試験を受けたと言い、でも何も知らないとも言ったからである。
    しかし、この後雨が降り始め、めんどくさいことになるのである……。
    レインコートを持ってきたとはいえ、雨の山道をバイクで走るのはかなりめんどくさい。靴もランニングシューズで来てしまっていたから。

    シャアシャア降る雨に濡れ、なんとか知人と一緒に車を追い、狩猟の基地になる予定の場所を教えてもらった。
    ジビエとして販売ができるように、解体所を整備しているとのこと。またすぐ近くに販売できるお店も建てているところだった。
    山間部でもこういった新しい動きがあるのは良いことである。

    次に猟場を案内してもらった。
    雨の中、草ボーボーの獣道を分け入る。
    今は猟期じゃないので大型の箱罠とくくり罠を仕掛ける予定の場所を見るだけだったが、養蜂をされている様子や、熊よけに大声を出すべきだと教わった。
    拙者は「ほいほーい」と大声を出すと、狩猟の方は「その意気だ」と喜ばれていた。
    しかし、獣道は雨でぬかるんでいたし、草は背丈を超えて生い茂っているし、ルンルンとお散歩気分というわけにはいかない。
    そして、流血の原因もここにあるのだ。

    狩猟の方から猟期になったら連絡をいただける事になり、その場では別れた。
    狩猟試験を受けたすぐのタイミングで、こういう方に出会えたのは幸運だ。

    さて、靴がぐしょぐしょだし帰ろうかな、と思いきや、知人は他にも寄るべき場所があるよ、と言った。

    養鶏の候補地

    またバイクを走らせる。小雨になってきた。
    たどり着いた場所は、再生中の古民家。
    古い家ならではの暗がりを遠慮がちに覗いてみると、床板が取り除かれ、多くが土間になっている。周りはブルーシートで覆われている。おくどさんや囲炉裏だけが真ん中に陣取っている。なにやら面白いことをされているようだ。
    聞くところによると、知人の友人が古民家を再生し、宿泊施設かカフェにするとのこと。
    夢があって良いなぁと思った。

    そんなことを思いつつ、軒先に座らせてもらったところ……、問題が発覚。
    拙者の足から血が流れている。
    よく見てみると、ヒルだ。
    今まさに、腹をふくらませたヒルがスネについている。2匹も。
    ライターをかりて、火で炙って、地面に落として踏みつけた。
    ヒルにやられると血がダラダラ流れる。なかなか止血しない。
    さきほどの猟場でつかれたようだ。
    我が首にもうごめいていたし、実に気持ち悪い。
    潤いが豊富な山中であるが、その分厄介なやつも多い。
    自衛せねばな、と思った。
    ランニングシューズで山に入るのはちょっと山を舐めていた。

    さて、この古民家再生中の人だが、どうも資産家のようで、色々な高い車をコレクションし維持されているらしい。また古民家の近くに広い土地を買い、キャンプ場にしたり、ブドウ系の果実を栽培したりと動かれているとのことだった。
    拙者が養鶏をしたいことが知人の仲介で伝わると、その農園で果樹を栽培しながらニワトリも飼えば良いのではないか? と盛り上がった。
    そして、その土地を見に行くことになった。

    軽トラで行くのだが、乗車するのは3人なので、1人は荷台に乗らねばならぬ(私有地なので法律的にはたぶん大丈夫)。そして、荷台に乗るべきは拙者である。
    座って乗るより、ジェットスキーみたいに立って乗ったほうが良いとのアドバイスに従い、そうした。
    軽トラはガッタガタの道、もちろん舗装されてないジャリジャリの登り坂を上がるものだから、めちゃめちゃ揺れて、まるで遊園地のアトラクション。
    昔、ディズニーシーでインディ・ジョーンズのアトラクションに乗ったことがあるが、それを思い出した。リアルな木の枝が襲いかかってくるのでしゃがんでよけた。横転するのではないかと恐怖に震えた。

    たどり着いたのは、山肌をならした原野が動物よけの柵で囲われている、そんな場所。
    なかなかワイルドで開拓者精神が沸いてくる。
    養鶏もしたいし、キャンプ場整備もしたいと思うところ。
    花背への移住をリアルに考えるようになった。

    まとめ

    ちゃんと鞍馬経由で帰ったものの、やはり2時間くらいはかかるようで、改めて遠いな、と思った。
    シャワーを浴びようと服を脱ぐと、腹部にも流血の後があった。
    ヒルへの憎しみが増した。

    そんな風に良いことばかりではなかったが、知人に誘われ軽い動機で花背に行ってみたが、思いのほか良い出会いがあり、かなり濃厚な日を過ごすことができた。
    拙者のやりたいことを知って、色々と連れ回してくれた知人には大感謝である。

    こういう人間関係を大切にしたいよね。
    とりあえず、また火曜日、花背に遊びに行ってみるよ。

    以上。

  • 花背のことは話せばわかる(1)林業女子と自然観察

    花背のことは話せばわかる(1)林業女子と自然観察

    拙者がたしか中学生だった時に、学校のカリキュラムで花背 山の家という林間学校的な施設に一泊した。
    その合宿のことはほとんど記憶になく、どの女の子に想いを寄せていたとか、何を食べたとか、焼き板をしたか、キャンプファイヤーはあったかなど何も思い出せない。
    ただ、1つだけ憶えている。
    友達がクイズというか、なぞなぞを出してきた。

    友「山の家に捕まりました。何と言ったでしょう?」
    僕たち「???」
    友「正解は、放せー(花背)」

    たったこれだけで、花背は一生忘れない場所になった。
    そんな場所に中学生ぶりに行ってきたのだ。

    知人からお誘いいただいた、花背で行われる謎のイベントに。
    案内文をスクショしただけの画像で、雑な誘い方だった。
    何が行われるのか不明だったが、拙者は暇なので誘いを断らない。
    いざ行ってみると、恐怖もあったし、面白みもあったし、流血もあったが、色々とお世話になったので、拙者らしく記事にしておこうと思う。

    行き方

    花背は遠い。道が険しい。拙者が住んでいるのと同じ京都市なのに、滋賀県高島市に行くほうがスムーズなのではないかと思われるほどだ。
    地図はこんな感じだ。

    車で1時間半ほどと書いてあるがそんなので行けるのか? 距離はフルマラソンくらいだ。
    田舎というか、山間部であり。ヘアピンカーブをニョロニョロ越えて行かねばならぬ。
    ちなみにGoogleマップでは大原を経たルートを示してくるが、地元に人に聞くと、鞍馬からのルートのほうがスムーズだと聞いた。
    どおりで厳しかったわけだ。
    大原まではよく知っているが、そこからの道が険しくて、どんどん山道を上ったかと思うと霧が出てきて、もののけ姫のテーマソングが似合いすぎる景色の中をバイクで走って恐怖に震えた。戻ってこれない世界に行きそうになった。

    お弁当

    10時頃に家を出て、恐る恐るバイクを走らせたので2時間ほどかかり、12時前に目的地に到着。
    イベントの開始は午後1時。昼食は現地で適当に済まそうと思って出かけたが、花背は流石の山間部でコンビニとか皆無。
    昼食くらい抜いてもいいよ、と思っていたが、目的地のやまとそらのおうち(旧JA花背)に着いてみると、火曜日だけお弁当の販売があるとのことだ。ラッキー!

    美味かった。
    次の火曜日もぜひ行きたいと思った。
    ライダーやサイクリストは火曜日を狙って行ってはどうか?

    林業女子会の女性

    お弁当を食べている間、企画の主催者である林業女子会の女性とお喋りして、色々と花背エリアの情報を知れた。
    今回の企画は花背の写真展がメインで、サブイベントとしてトークイベントや自然観察会が実施されているようだ。その自然観察会に拙者たちは来たのだ。
    拙者は広河原の松上げや盆踊りに興味があると伝えると、花背の松上げがあったことや、今週末に広河原で行われると教えてもらった。
    この女性は、花背エリアの生活を紹介する小冊子を発行されており、それを頂いた。
    山間部のまちづくり活動・地域おこし活動をされている方、というのが分かりやすい表現だろうか。
    オオハンゴンソウという特定外来種の駆除の話や、狩猟の話なども聞かせてもらい、充実のランチタイムになった。

    30分ほど時間が空いたので、周辺をジョギングし、桂川の上流である上桂川(もしくは大堰川)に足を浸してみた。暑いながらも良い空気を吸えた。

    自然観察会

    定時になり知人とも合流できた。
    ここから目当てのイベントである自然観察会がスタートする。
    右も左も分からぬままリーダーさんの言いなりになり、バイクで少し場所を移動し、旧道沿いに停める。
    集まったのはたしか13人で、ほとんどがじいちゃんばあちゃんと呼ぶべき年齢で、数人だけ若い世代が混ざっている感じ。
    自己紹介が始まったが、12人もの名前を覚えられるはずもなく、拙者には紹介すべき自己もない。なんだか分からないまま来てしまった、ただの男である。
    自然観察会という名の通り、周辺の植物に目をやっては、これは〇〇だ、これは△△だ、毒がある、食べれる、などと教えてもらえる。名前の由来や特徴などよく知っておられる。メモを取りながら聞いたなら、とても勉強になったに違いない。

    後々理解したところでは、こちらの会は、NPO 自然観察指導員京都連絡会の方々であるそうで、定期的に山野に出かけてはハイキングがてら自然を観察したり、子どもたちに教えたりしているそうだ。
    また、林業女子会の女性の呼びかけで、花背でも植生調査をしているそうである。

    皆様、ご高齢になっても向学心が高く、また運動にもなっているので、良い会だなぁと思った。

    この会の参加者の中に、花背で狩猟をしている方がおられ、次の章につながるのである。

    罠の見学

    最初のやまとそらのおうちに戻り、スイカを頂いた後、狩猟の方から猟場を見学してみるか? とお誘い頂いた。
    これは拙者が先月狩猟免許を受けたと言い、でも何も知らないとも言ったからである。
    しかし、この後雨が降り始め、めんどくさいことになるのである……


    ちょっと長くなってきたので、続きものにするよ。
    また次回。

    To be continued…