カテゴリー: 盆踊り

  • 高島おどり必勝法

    高島おどり必勝法

    「お風呂に入るの面倒くさいなぁ」とおっくうがったのに、いざ入ったらめちゃめちゃ気持ちええ、という時はある?
    拙者はない。お風呂は面倒くさくない。
    しかし、1年ぶりの盆踊り会はちょっとおっくう。なんせ住まいから70kmの道のりに隔てられているから。
    それでもバイクを走らせて、滋賀県高島市に向かうと田園風景に癒やされ、人々の輪に入り高島おどりを踊るとエネルギーがチャージされた。充実。
    2度目の参加で分かった事がある。
    高島おどりは難しい。
    だが、成長期にある盆踊り会なのだと、若者が教えてくれた。
    来年はおっくうがらないように、文章を残しておく。

    拙者が高島おどりに参加すると関係者の方から「ブログの人ですか?」と言われる。「ああ、はい、すいません」と答える。
    昨年初参加した感想をこんな風に(高島おどりを称賛せざる負えない)書いたら、関係者の皆様に回覧していただいたらしい。
    拙者もやる気を出すために再読したが、何たる悪文かと思って消したくなった。かたや狂人らしさはにじみ出ているので表現としては正解かもしれんと、自分を慰めた。
    とにかく、今回の記事は悪文を修正するとともに、関係者に好かれようとする思いを自制し、自分のための高島おどり必勝法というテイストで書きたい。

    必勝法1、アクセス良いのでおっくうがるな

    高島おどりが実施されるのは、近江今津駅からすぐ近くの商店街なので、アクセスが良い。新快速がとまる。
    また、バイクでも1時間ちょい(渋滞を避けられれば)なので早い。

    どれだけ濃密な時間を過ごせるか? という観点で捉えれば、往復2時間くらい使う価値はある。

    必勝法2、なかなか憶えられない

    2回目ってことで動画を見て予習したのだが、雰囲気しかつかめない。踊りは憶えられず、江頭先生の魅力しか伝わってこない。
    また、本番前の事前練習から参加したが、7種類もあるので、分かってきたと思ったらすぐ終わって、本番でもさっき踊ったはずの踊りが全然出てこない。
    拙者は盆力を高めているので、見本となる人の後ろに付けば動きをコピーできるのだが、それでも途中で集中力が限界に達する。
    1曲あたり30分くらい踊り続けたら体が憶えてくれると思うが、7曲あるので3時間半のトレーニングが必要だ。

    自分向けの必勝法としては、
    ・事前の練習会に一度は参加する
    ・曲と特徴を憶えて、当日の休憩時間に自主トレする
    ・何曲かは諦める
    かな。

    今はまだ踊りに集中せねばならず、掛け声を出したり、周りの人と目を合わす余裕がない。戦力になれていない。

    必勝法3、曲と特徴

    とにかく曲と特徴を覚えよう。

    今津高島音頭

    踊り:これは難しくない。4種類のポーズをキメていく感じ。

    曲:(後日追記します)

    中庄本調子

    踊り:網を引く動作が特徴的。

    曲:(後日)

    朽木やっさ音頭(市場)

    踊り:3拍が連続する。

    曲:(後日)

    新旭高島ふるさと音頭

    踊り:手をくるくるする(毛糸を巻き取るような)動き

    曲:(後日)

    朽木針畑音頭

    踊り:行ったり来たりして位置が変わらない。

    曲:(後日)

    諏訪神社奉納踊り

    踊り:手をハの字に開くのが2回連続なのが特徴(あたりまえ体操の最後の動き)

    曲:(後日)

    椋川音頭

    踊り:右に何かを飛ばすような動きと、足が右左タンタン動くイメージ。

    曲:(後日)

    以上7種類。
    曲を聞けば、あれかぁと思い浮かべられるようにしたい。

    必勝法4、成長を見届けよう

    今年は去年よりも参加者が多かったし、見本になる人用のお立ち台が新たに設置されていた。

    盆踊りに参加していた若者は、成長途上にある盆踊り会を探すと高島おどりに行き着いたと語っていた。
    初参加した時、なんとなしに感じた可能性や躍動を同じように発見した人がいるんだな、と思った。

    また、各地を転戦しているガチの盆おどらーも注目しているようで、郡上おどりの愛好者や、兵庫県からの参加者もいた。あと、あの人と、あの人と……。

    あるいは、地元の人に話を聞くと、音頭の練習を始めたと言っておられた。

    盆踊りは廃れつつもあるし、流行りつつもある。
    地域内で小さく行われる盆踊りは高齢化や子どもの少なさなどで年々縮小しているようだが、かたや賑わっている盆踊りはどんどん賑わいを増している。
    地域行事としての盆踊りから、よそから人を集める集客コンテンツとしての盆踊りへの転換期にあって、その過程を体現しているのが高島おどりなのかもしれない。
    どんな風に成長していくのか、今後も注目せざるおえない。

    なんか、元は神奈川県出身で今は千葉県在住の女性がいて、どういうゆかりで高島おどりと縁ができたのかは聞きそびれたが、どうしても雰囲気を味わいたくてわざわざスタッフとして参加しに来たそうだ。
    それだけの魅力があるんだろうなぁ。

    あとは、我々のようなよそ者が踊り子として成長していけば、次の段階へと上っていくと思うんだよなぁ。
    ああ、もっと楽しくなるなんて、鼻血出そう。

    だから、おっくうがらず参加せよ。

    以上。

  • 第3回大文字サイレント盆踊り(2023.8.16)

    第3回大文字サイレント盆踊り(2023.8.16)

    お知らせ

    鴨川増水により鴨川デルタは立入禁止になっております。周辺のどこかで実施しておりますので、お探し下さい。

    あらゆる盆踊りが中止になったコロナ禍で、新たに誕生したのが大文字サイレント盆踊り。
    コロナ禍が収束したので役割を終えたと考えても良いのだが、むしろ疫病を乗り越えたこと・疫病を忘れないことを胸に刻み、踊るべきではなかろうか。
    ゆえに、今年も決行だ。

    昨年は雷雨に見舞われ、神がかったイベントになった。
    今年はどうなるだろうか?
    歴史の目撃者となってくれ。

    実施日:2023年8月16日(水)
    実施場所:出町デルタ
    時間:19:00~20:00
    会費:お賽銭方式
    持ち物:汗かいたときの着替え
    雨天:雷雨決行。鴨川が増水してたら中止。

    踊りに参加する方は、事前に連絡してもらうと色々とフォローができます。(メール
    初心者でも大丈夫。見学OKです。

    踊り曲目:江州音頭、河内音頭(手踊り、マメカチ)、炭坑節、郡上おどり(春駒、かわさき)、ドンパン節、ダンシング・ヒーロー、マイムマイム、マリーゴールド(予定)

    とにかく堂々とやると、周りの人たちが伝統行事だと勘違いしてくれる。なんらかの氏子になったような気分。
    特には布教したい教えはないけれど、踊り自体を布教して争いのない世の中にしていきたい。踊りには資源の奪い合いはないからな。でも視線の奪い合いはあるかもね。
    多くの観客が集まるので、踊っていてめちゃめちゃ気持ち良い。
    最後に送り火を眺められるのもいい。

    20人くらい集まったら楽しいなぁと思っているけど、クレイジーさが必要なので、みんな集まれ! とは言わない。
    選ばれし者たちだけ、ご参集下さい。

    世界は自分たちのためにある、と勘違いできる機会なので、お見逃し無く!

    以上。

  • 流血するほど楽しすぎた郡上おどりin京都と延長戦

    流血するほど楽しすぎた郡上おどりin京都と延長戦

    郡上おどりが楽しいのは知っていたが、永遠に味わっていたいと思えるほど楽しいことに驚いている。
    2023年6月3日(土)、郡上おどりin京都が実施され、みんなと踊った。憎きコロナ禍により3年ぶりである。
    台風一過の青空の下、初夏の薫る風が吹き、もはや城のような威厳になってきた京都市役所の前で、下駄の音を響かせる。
    カンカン、カンカン、カンカンパン、カンカンパン。
    その音が響き渡れば、音頭が加速していく。
    見えない自由は欲しくない。踊れる自由さえあればいい。

    郡上おどりというのは、日本三大盆踊りの一つで、岐阜県郡上八幡市で実施される江戸時代からの由緒ある盆踊り。徹夜踊りでも有名。ユネスコ無形文化遺産にも登録された。
    10種類の曲と踊りがある。
    拙者は4年ほど前に徹夜踊りを体験しに行った。1人で乗り込んだので休憩するペースが分からず、終了時には亡者のようになっていた。

    郡上おどりin京都はその出張バージョンで、年に1回だけ開催され、今年で13回目だそうだ。
    拙者は6年ほど前に初参加させてもらって、それ以降は毎年参加しているが、前述の通りコロナ禍だったので、3年ぶりの参加である。

    楽しいのは知っていたが、屋外開催は初体験だ。これまではゼスト御池の地下街だった。
    前日には新幹線を止めるほどの大雨が降ったが、その心配はなくなり、逆に日差しと暑さの心配に変わった。水分補給をせねばならない。
    しかしこれがいけなかった。

    会場に着く前に三条の明治屋でビール350mlを2本買う。
    会場で仲間と挨拶を交わしながら、その2本を空ける。

    音頭が始まり、人々が櫓の周りに集まる。
    京都の盆踊りとしては最大動員で、1000人、くらいの感覚。
    そこまではいないのかなぁ、しかし、人が浴衣で動くと3倍くらいの人数に見えるからなぁ。
    そこに拙者も混じって踊るのだが、楽しさしかないワ。
    人々が踊っている、自分も踊っている、その渦の中で何を考えているかというと、「知ってる人いるかなぁ~」とよく見ている。

    ちなみに10種類ある中で、3つがお気に入りで「かわさき」「猫の子」「春駒」。この3つさえ抑えておけば大丈夫で、実を言うと他のやつはよく分からん。

    4時間エンドレスで音頭が流されるかと思っていたが、休憩が3回あった。その度に拙者はビールを飲んだ。水分補給しないと熱中症になると思って。
    だいたい2リットル摂取したところで頭がぼ~となってきた。
    「踊りの振りが分からん」という症状に見舞われた。
    2リットルは多すぎたな、1.5くらいでやめとけばよかった。

    これによってダメージを受ける。
    酔っ払っているのに、激しく下駄を打ち鳴らしたがるのが拙者で、下駄の歯がすり減っていたこともあり、どうも地面で右足の人差し指を勢いよく削ってしまったようだ。
    流血しだした。
    とくとく血が流れ、徐々にねちょっとして、指と下駄が血まみれになった。
    踊りながら右足を見ると、血の赤が生々しくてちょっと怯んだ。
    「あー、地面が血まみれになったらどうしよう、怖がられるかなぁ~」
    と、とても心配した。
    だが、幸いにして血は下駄から溢れることなくとどまり、そのまま踊り続けるうちに血はとまった。
    下駄は良いタイミングで買い替えるべきだと学んだ。

    そういった身体的ダメージを受けはしたが、踊りは超絶に楽しくて、派手な浴衣の人、揃いの浴衣の人、帽子の人、手ぬぐいの人が渦を作る。下駄の音、手拍子の音が鳴り響く。音頭は相変わらず何言ってるのか分からず頭がぼ~っとなり、時折風がさぁーと流れる。踊りに集中できるとトランスに入り、自分が世界なのか世界が自分なのかよく分からなくなってくるのがいい。

    定時になると郡上おどりin京都は終演を迎えたが、仲間と三条の河原で延長戦をした。
    いうても本編で全力を出し切っていたし、特に踊りたい欲求のない和装集団の夕涼みといった体だったが、程よく知らぬ人との絡みがあって、良い時間になった。

    フランス人と日本人夫婦の子ども、兄と妹と遊ばせられた。サツキとメイくらいの年の頃だろうか。
    兄は体を動かしたい盛りらしく、側転を披露する。
    「スゴイ!」
    と感嘆してやると、
    「やって!」
    と、側転をやらされるのである。
    拙者はノリが良いので、側転の真似事をし、そしてそれはできず、倒れ込むのであるが、それを見た妹が助け起こしに来てくれるのである。
    小さい女の子に手を持ち上げられたら、キュンとするではないか!

    その後も、あれやって、これやって、お菓子頂戴と、不躾極まりない連中で、酔った体で平均台のようなことをさせられたり、みそそぎ川に手を突っ込まされたり、濡れた手で髪をくしゃくしゃされたり、そのくせ踊りはちゃんとやらないので、なんやねんと思うのだが、誰にも相手にされないオジサンでいるよりはいっか。

    彼らが帰ったあとは、餃子を頂いたりして、はむはむと美味しい思いをさせてもらい、締めで何かを踊ろうかとブルートゥーススピーカーから流れる曲は、マイムマイムだったり、あいみょんのマリーゴールドだったりして、ぜんぜん盆踊りじゃなくて、適当に踊っていたら飛び入り参加の人達が来て、一緒に踊って、それは踊る自由を行使した初夏の夕涼み。

    楽しくて永遠に味わっていたいと思うほどの時間は、こんな感じ。

    皆さまありがとう。
    楽しかった。
    盆踊りシーズン、楽しみだね。

    以上。

  • 盆踊りプロデューサーの入り口に立った

    盆踊りプロデューサーの入り口に立った

    新たな盆踊りキャリアを積もうと思う。
    某ショッピングセンターの盆踊り会を任せてもらえそうだ。
    経験値を得て、盆踊り王に俺はなる。

    野外で過ごしやすい気候になったので、盆踊りが活発な地域ではニョキッと開催情報が出てきている。
    今日なんて、青い空が青く晴れわたっていたもんな。踊り日和だった。
    そんな中、拙者は某ショッピングセンターに向かった。
    職員さんと打ち合わせがあったからだ。

    行動しておくと新たな機会が舞い込むようで、「盆踊りを仕切れる人いない?」という質問に、友人が拙者の名前を上げてくれたらしい。
    コロナ禍で盆踊り会が全滅していた2年前のサイレント盆踊りが今になって効いてくる。
    少人数ではあったが、やるとやらないとでは大違い。
    拙者は京都で最も楽しい盆踊り会をプロデュースできるぞ。まだやったことないけどね。

    某ショッピングセンターは集客が伸び悩み、苦戦中らしい。
    それゆえ、大事な売り場スペースを住民交流のスペースとして活用しようという施策のようだ。
    フォークソング、演歌などのショーステージやフリーマーケットなど、地域の人が主役になれる会を精力的に実施されているよう。
    その流れで、友人のプロデュースする発表会が行われ、盆踊りができないかと相談されたらしい。

    拙者はただの盆踊り愛好家だったが、コロナ禍で盆踊りが全滅したのでしょうがなくサイレント盆踊りを企画した。
    かなりアグレッシブなことをやって自信がついた。大文字の日に雷雨の中で踊ったこと、円山公園で女子高生と踊ったこと、これらができるのなら、不可能な会など何もない。
    今年は一般向けの盆踊り会を仕切らせてくれ、と思っていた。
    ちょうど良い話が舞い込んだ。

    職員さんと話をする。
    広さはちょうどいいし、PAシステムもちょうど使って良い物があった。
    駅からも遠くはないし、駐車場もあるし、店舗でビールも買えるし、人が集まるには良い。
    個人的には野外の盆踊りが好きで、蛍光灯の下では踊りたくないけれど、室内な分、音や掛け声が響いて良いかもしれん。
    ショッピングセンターで盛り上がりの実績が作れたら、他の店舗での道も切り開かれるもんな。

    踊りレクチャー付きでやろうかな。
    マイク持ちたいしなぁ(笑)
    師匠っぽく振る舞ってやるぞ。
    したり顔で「正しさより楽しさ」「祈りと求愛」と語ってやろう。

    懸念点は、他の強力な盆踊り会とぶつかったら困る。
    絶対に行きたい会があるからなぁ。

    とにかく、5人はこなれた踊り子が必要なので、どうぞよろしくお願いします。
    事前にリクエストしてもらえたら、その踊りをやるという柔軟性もある。

    あとは、生音頭を披露するという豪胆さも見せてやろうかな。
    マイム・マイムもやりたい。

    楽しみです。
    以上。

  • 幻のようだった大文字サイレント盆踊りのこと

    幻のようだった大文字サイレント盆踊りのこと

    夏の出来事を3ヶ月も経ってから記すのは、フレッシュじゃなくなって、賞味期限切れな感じがするけれど、これはしょうがない。
    あの出来事を文章にすると、思い出が小さくなる気がしてビビっていたのだ。
    映画のような現実だった。
    拙者の拙い表現力では間に合わない、2022年の大文字サイレント盆踊り。

    しかし、来年も実施するために意を決して筆を執る。

    経緯

    「たとえコロナ禍でも、盆踊りはできるはず!」とサイレント盆踊りをやってみたのは2021年、すなわち去年である。
    京都の盆踊りは全滅していたが、拙者はその状況に違和感を持っていて、野外で踊るのは感染リスクが低いし、健康のためにも良い、ディスタンスも保てる。盆踊りは娯楽の一面もあるが、先祖供養でもあるので、行政の都合で中止にして良いものか、などとイライラしていた。
    できる範囲でやるべき、と考え、サイレント盆踊りを計画・準備した。
    踊り手は各自のイヤホンから聞こえる音に合わせて踊る。周りの人には何も聞こえない。

    こうして実施してみた第1回大文字サイレント盆踊り。
    4人という小規模ながら、他の誰にも踊れない場所で踊れた達成感が残った。思い出も友情も育まれた。どこででも踊れる方法を学んだ。

    それから1年。今年はぼつぼつと盆踊りが復活していたけれど、大文字サイレント盆踊りは伝統行事になる可能性を秘めている。そしてあの感動を再び味わいたい。第2回をやることに決めた。

    我々を待ち受ける場所

    2022年8月16日(火)18:30
    拙者はお手製の持ち運び櫓と共に、出町柳駅に降り立つ。
    まだ空は明るくて、人々は大文字目当てに集まり始めているが、交通規制の赤色コーンはまだ積まれているだけだった。

    メンバー2人と合流し、協力しあって櫓を彼の地へと運ぶ。

    持つ場所が変だと重い

    出町デルタの入り口付近には場所取りの人が留まりつつあるが、先端部分はすっぽりと空いていて、まるで我々を待ち構えているようだ。
    踊って欲しがっている場所、という表現がピッタリだ。

    設置し、着替えた後、音出し実験も兼ねて、先行隊で踊ってみる。
    1年ぶりの場所。
    突然踊りだした1団に「何事か?」と、視線を向ける人も多いが、そのままほっておいてくれる。
    ちょうど西河岸の人々がオーディエンスのようになって気持ち良い。

    見事に踊りスペースが空いている

    たぶん我々は選ばれし者たちで、霊界からの司令で踊っているのだ。
    知らんけど。
    というのが、視線を浴びる拙者の気持ち。

    みんなで踊る

    徐々に周囲が暗くなってきて、定刻の19時になって、仲間が集まってくる。踊りのメンバーは相変わらず小規模。創設メンバーの1人は濃厚接触者になってキャンセル。それでも6人が集まった。

    また、メンバーの1人が工夫をこらし、小さな灯りを周囲に置いて、「飛び入り歓迎」などのPOPも作ってくれたので、ノリの良い外人グループが一緒に踊ってくれた。カメラもよく向けられた。
    拙者は「輪が広がれば良いなぁ」とお手本になれるよう懸命に踊った。

    サイリウムが仲間の証

    あたりから明るさが消えてゆき、周囲の人からの視線が気にならなくなってくると、遠雷が騒ぎ始める。
    踊りに合わせ、夜空が光り、ゴロゴロと鳴り響く。
    「通り過ぎてくれたらいいな」と思いつつも、我々の踊りで稲妻を呼んでいるようにも感じ、効果音とスポットライトのようで、雷の下で踊るのも悪くはなかった。

    https://twitter.com/wishigrow/status/1559558625794084865

    だがしかし、急激に、猛烈な大雨に襲われる。

    ゲリラ雷雨

    順調にいけば、踊りの輪が広がっていたかもしれない。
    たしか10人くらいにはなっていたはずだ。
    だが、突然の雨に打たれ、踊りどころではなくなった。
    まず我々は、櫓を守った。音響のシステムが入っているからだ。
    雨が強い。横殴りの雨だ。
    誰かが傘をかざし、誰かがシートで覆い、拙者はゴミ袋を被せ、それが飛ばないようにガムテープで貼り付けた。
    大文字観賞の場所取りをしていた人々は蜘蛛の子を散らすようにいなくなったが、仲間は櫓を囲むように残った。
    拙者は嬉しかった。
    みんなが必死になって櫓を守ってくれることが。
    拙者の作った持ち運び櫓を、身が濡れるのを犠牲にしてまで守ってくれている。
    記憶が刻まれるのはこういう時だ。
    何かが宿る時とはこういう時だ。
    この櫓は御神体なんだな、と思った。

    雨の中で

    御神体がビニールに覆われてからは、拙者ともう一人を残し、仲間はどこかに避難した。
    拙者らはその場を離れるわけにもいかず、どっちにしろずぶ濡れなので、盆踊りを続けることにした。
    雨の中で踊る。
    なりふりは構わない。
    どうせ夏の夜だ、風邪など引かぬ。
    こうして踊りが神がかっていくのだ。

    そのうち小ぶりになり、仲間たちも戻ってきて、飛び入りの人も来て、20時の少し前まで踊った。
    雨のせいでプレイリストの操作ができなくなって、するとなぜだかあいみょんのマリーゴールドが流れたのだが、それもそのまま踊った。

    楽しんだもん勝ち

    手ぬぐいはビショビショで、浴衣から雫が滴り落ちてくるのだが、体は温まっている。
    心もだ。

    大文字酒

    20時をそこそこ過ぎた頃、大文字が点火され、みんなでそれを見つめた。
    山に浮かぶ「大」の文字。
    周囲の人達のテンションがふわっと上がる。

    みんな大文字に夢中

    それを見ながら日本酒を飲む。
    仲間の1人が黒い器を用意してくれた。
    酒に「大」の字を映して飲んだ。
    旨い酒だ。

    我々も盛り上がり、周囲もなんだか楽しげで、「大」の字を共有している安心感があった夜。
    そういうのを忘れたくない。

    送り火アフター

    送り火も観衆も落ち着いてきた頃に、ふたたび音頭を流し、盆踊りを踊った。飛び入りの人も櫓を囲んだ。
    おそらく、周囲の人を巻き込むためには送り火アフターの方が都合が良いのだと思う。
    ただし、この時はまた雨の心配があって、控えめにしておいた。

    我々の櫓は岬に立つ灯台のようで、名所のようになっていた。
    後日、TwitterやInstagramで発見した。
    きっとお精霊さんにとっても良い目印になったことだろう。

    「なんか幻のようやったね」とみんなで話して、「またやろうね」と別れ、それぞれの寝床へと帰った。


    こんな風に「楽しい」では言い表せられないドラマがあって、人々からの注目や、楽しげな外人さんや、雷鳴や、豪雨や、大の炎や、それを見つめる君の瞳や、酒の旨さや、灯台や、頼りになる仲間たちに、また来年も出会えるかな。
    きっとまたやろう。

    2023年8月16日、またよろしく。
    ずっとずっと、続くといいな。

  • 文化の日に京都をザワっとさせた踊り集団について

    文化の日に京都をザワっとさせた踊り集団について

    「踊ることに何の意味があるのか?」
    と、問われると一旦は答えに窮してしまう。
    「別に意味なんてないよ」
    と、拙者は開き直るであろう。
    今から記すのは、意味のないことに全力を尽くした記録だ。

    経緯を説明すると長くなるので、いきなり本編から入ります。
    2022年11月3日(木・祝)、「ニセ祇園祭」と題し、京都祇園周辺での盆踊り行脚を実施した。
    祇園四条駅から円山公園に至る各所で、盆踊りして、迷惑がられる前に逃げようという企画だ。
    なぜこんな企画が実施されるのか、拙者にも分からない。
    答えはきっと風の中、あるいは土の中だ。


    この記事を書くに当たっては、前段たる持ち運び式櫓制作や大文字サイレント盆踊りについて説明せねばならぬのだが、それは謎のままで進めます。

    巳の刻(10時)祇園四条駅集合。

    持ち運び式櫓、二の型に組む

    精鋭たる5名が集結。
    新たな取組には少数精鋭が良い。

    最初の踊り地点、まずは肩慣らし

    この地点で踊ったのは、あいみょんのマリーゴールド盆踊り。
    諸事情あって、拙者が振り付けした。我ながらよく出来てる。
    踊り方はいつか公開したい。

    ベンチで佇んでいた若者たち、テラス席の女性たち、ザワっとさせてゴメン。

    祇園新町では、ちょっと空気が違った

    写真スポットとして人気の祇園新町で踊ってみた。和風結婚式をされてる人々の空気を乱してしまった。
    人に話しかけられたり、タクシーが来たりで踊りきれませんでした。
    逃げるように去った。

    徐々に体を温めていく。集中力が高まる!

    良いスペースがあれば踊る。
    我々に必要なのは、広々とした歩道。
    場所を変えて踊ると、いつもより音頭が長く感じる。時空が伸びている。

    知恩院の前、京都三大山門の1つ

    拙者は気づきました。どうやらこの世界には踊って欲しがっている場所がある。
    この知恩院の前は、まさにそのスペースで、飛べそうなくらい気持ちよく踊れた。
    映えてる。大きな山門も、なだらかな下り坂も、青空も、全部が祝福を運んでくれる。

    円山公園

    今回のメインの場所は円山公園。
    言うなれば、この地で踊りたかったのだ。
    持ち運び櫓は御神体となり、その真の姿を発揮する。
    東山の美しさ、枝垂れ桜の老木、足を止める人々、見たかった風景がここにある。

    拙者が20代の頃、ギリヤーク尼ヶ崎さまがこの地で踊っているのを拝見したことがある。
    氏に習い拙者も踊りました。池には飛び込みませんけど。

    修学旅行と思われる女子高生も参加

    女子高生が参戦してくれた。
    TikTok映えするな、と思った。
    思い出に残れ! そして、踊り続けよ! 君たちはセンスがあるぞ!
    彼女らの修学旅行記に、脇役として登場するんだな我々が。物語の交錯点だ。

    子連れの外人さんに声をかけられる

    ずっと踊りを見てくれていた外人さんに声をかけられた。
    DJをしているらしく、音頭に興味を持ってもらえた。
    「今の音源は何なのか?」と。
    どこかのクラブイベントで江州音頭が鳴るかもしれない。

    集合写真

    もっとパフォーマンス力を高めた方が良いのか、
    あるいは、もっと参加しやすいように配慮したほうが良いのか、
    分からん。
    拙者は阿呆だから、分からん。
    阿呆がとるべき戦術は、総当たり攻撃しかない。
    今後も色々やってみます。

    鴨川ホルモー、名作です。

    浴衣で四条通を横切るなら、これをやりたかった。

    花見小路を横切る

    文化とは何なのか?
    そう思いながら、文化を背負っていた。

    南座の西側

    そろそろ、クライマックスだ。
    四条川端の交差点。

    文化を担いで、交差点を渡る

    これが京都だ。
    変な奴らを溶け込ましてくれる街だ。

    文化を差し上げ

    土地には土地の意思が存在する。
    それに従い、動いただけだ。
    我々が変なのではない、これは歌舞伎発祥の地の意思なのだ。

    四条大橋近くで踊る

    行きて帰りし物語。
    スタート地点付近に戻り、最後の総まとめとして踊る。
    これにて千秋楽。

    踊りの仲間、カメラを向けてくれた皆さま、温かい目で見守ってくれた皆さま、静観してくれた皆さま、どうもありがとう!
    楽しかった、オモシロかった、エキサイティングだった。


    出雲阿国像前にて

    出雲阿国が踊ったことが歌舞伎になったと聞いている。
    また、かぶき者とは常識を逸脱した行動に走る者たちのことを言うらしい。
    その意思、追うぞ、我々は。

    踊ることに意味はないのだろうか?
    意味がないならば、総合芸術、アートだな。
    身体表現、民芸、借景、参加型の娯楽、土地の意思、礼拝、非日常体験。
    「無用の用」と老子は曰った。

    人類の人口増加には、拡大期と定常期があるらしく、現代は第3の定常期らしい。
    定常期には宗教や芸術が活発化するそうだ。
    若者は気づいている、金で買ったものでは褒められはせぬことを。
    若者は気づいている、物を買えば買うほど没個性的になることを。

    創れ、歌え、踊れ、表現せよ。
    新たな時代は、もうすぐそこまで来ている。

    我々は歌舞いていくぞ!
    乗り遅れるなよ!

  • [募]ニセ祇園祭、盆踊り逃げ大会(2022.11.3)

    [募]ニセ祇園祭、盆踊り逃げ大会(2022.11.3)

    やりたいことをやるのが、好まれる時代になってまいりました。
    おそらく、インターネットの発展によって様々な価値観が可視化され、オーソドックスなもの、普通なことの基準がなくなっている。
    であるから「自分はこうだ!」と自分で確立せねばならない。

    ところで拙者は踊りたい人である。
    そして踊りたい仲間も周りにいる。
    じゃあ、踊ればいいじゃないか、それが今の時代の正しさだ。
    というわけで、文化の日に踊ることになりました。

    2021年は平安神宮の前でサイレント盆踊りを実施したのです。秋晴れの良い日でした。青空と朱色の楼門、そして謎の盆踊り集団がよく映えた日でした。

    2022の今年も何かやろうと思います。

    京都って変なパフォーマンスをやっても、そこそこ許される土地柄なのです。
    これはおそらく、先人たちが変なことをしでかした歴史の積み重ねだと思います。
    例えば出雲の阿国の変なパフォーマンスがのちの歌舞伎に繋がり、空也上人の踊り念仏がのちの盆踊りにつながった。
    あるいは五山の送り火なんか、ゼロからやり始めようと思ったら猛反発をくらうであろうクレイジーな企画です。
    京都はおおらかで良い。自分に危害が加えられなければ「勝手にやらはったらよろしいんちゃいます~」とスルーしてもらえる。素敵だ。

    そんなわけで、我々の持つサイレント盆踊りの機動力を生かして、街を歩き、踊れる場所で踊って、そして人の迷惑になる前に逃げる(笑)、そんな祭りを実施します。
    祇園四条駅から円山公園あたりをめがけてやるので、「ニセ祇園祭」と題します。

    節分の日の鬼や獅子舞の如く、よく分からないままありがたがられる存在になりたい。そもそも盆踊りの源流は辻説法みたいなものである。
    最悪は選挙運動とか、デモみたいなものだと捉えれば、なんとかなる。

    募集要項

    [やること]移動しながら盆踊りを踊る
    [日時]2022年11月3日(木・祝)10:00~13:00頃
    [集合]祇園四条駅
    [会費]お賽銭制
    [曲目]江州音頭、河内音頭の手踊りとマメカチ、炭坑節、郡上おどりのかわさきと春駒、ウィーウィルロックユー、ドンパン節、ダンシング・ヒーロー、マリーゴールド(予定)
    [服装]自由。恥ずかしい人はお面などを被って。写真や動画などUPしても良いようにして下さい。
    [雨天]中止
    [予約]お問い合せ ←クリックしてメールフォームからご連絡を
    [初心者]盆踊りをやったことない人でも、なんとかなるので大丈夫です。

    まぁ、分かる、分かるよ。こんな企画にときめく人なんて、ごく僅かです。
    普通の人は、全力で逃げるべき企画。
    しかし、ときめいたあなたはクレイジーな気脈が流れているので、絶対に参加したほうが良いです。
    やりたいことやるためには、クレイジーな仲間が必要です。
    今の社会を生きる助けになるでしょう。
    それこそ、宝になります。

    以上です。