自分を殺して生きる人の詩

伝えたくても伝えられなかったその気持ちは消えてしまうのだろうか。
初めからなかったことにされてしまうのだろうか。
あるいは、いつか、ふと伝わる日が来るのだろうか。

取り戻せない過去、あったはずの未来。
それを抱えながら生きること。
悲しみである。
でも、今を生きる力でもある。

精一杯に、今だけを見つめて生きる。
そうやって積み上げた自分がいる。

ふと別の自分が顔を覗かせる。
今の自分は誰なのか分からなくなる。

誰も恨まない、誰も羨ましがらない。
そのためには自分が幸せであることが必要だ。
幸せになれないのならば、せめて楽しさで埋め尽くそう。

自分にとって楽しいとは何か？
幸せとは何か？

もし失ってしまったものが幸せなのだとしたら、どうやって幸せになればいい？

別の自分として生きるしかないのだろうか。
生きなかった自分はどこにいくのだろうか。

伝えられなかった気持ち、生きなかった自分が、眠っている場所がどこかにあるのだろうか。

死んだはずの自分が少し蘇る。
今日は4月4日。
満月を心に描いて、今夜は眠ろう。