思春期っていつからいつまで?
私にとっての思春期の終わりは自転車旅行をし始めた19歳ごろかな。
しかし最近、『再び思春期が訪れた』ってことにしている。
だいたい家でグズグズしている、37歳です。
君に太陽を
「I’ll Give You the Sun」は2014年にアメリカで発売された小説です。
双子の姉弟が主人公。
活発な姉ジュード、内向的な弟ノア。
芸術的才能にあふれた二人は信頼し合っていたのだが。
訪れる思春期の葛藤。
恋、親子関係、友達関係、自分の才能、そして姉弟関係。
あと、ノアは同性愛。
悩みは尽きない。
ときめき、敵対心、嘘、裏切りがしつこいくらいの心理描写とともに描かれています。
そして構成が面白い。
交互に語られるが時期が違う
ノアとジュード、交互に物語が語られます。
ノアは13歳の時の話、ジュードは3年後である16歳の時の話です。
ノアの話の途中でジュードの話に切り替わるわけですが、色々と変貌している。
ノアが崖から海に飛び込んでたり美術学校に行ってなかったりする、他にも色んな問題が起こっている。
ジュードは3年前の何らかの出来事を引きずっている。
二人とも性格が変わったように過ごしている。
『3年前、何が起こったんだ!』
ミステリーのように読めます。
また、二人の語り方というか、頭の中の違いが上手く描かれていてすごい。
ノアは思っていることを全然言葉として発してなくて、代わりに頭の中で絵を描く。
ジュードは死んだおばあちゃんと会話してて、おまじないを信じてる。
不思議な二人だ。
文体慣れ
最近は色んな小説を読むようになったけど、この作品の読み始めは『比喩表現が多くて読みにくいなぁ』と思った。
実際に起こったことではなくて、心の中で起こっただけだったりする。
わけわからなくなる。
でもそれに慣れると、素晴らしい心理描写力。
と思っていたら、ジュードの章になると、文体が変わる。
やや読者に語りかける感じになる。
気持ちを切り替えないといけない。
面白い。
ここまで少年を少年らしく、ノアをノアらしく、ジュードをジュードらしく書けるかー、すごいなーって思う。
てんこ盛り
かなりすごい作品です。
何が起こったのか興味をそそられるし、思春期の葛藤がどうなるかも分からんし、伏線もたくさん散らばってる。
愛の話でもあるし、回復の話かもしれん、本当の自分はどうなんだって話でもある。
私にとっては、芸術への情熱を呼び起こすような話だった。
もう一度聞く。この世界には、きみにとってどうしても必要な、きみの二本の手でしか創り出すことのできないものはないのか?
クリエイティブでありたいなぁと思った。
自分を全開にして。
まとめ
イジメられるにせよ、恋するにせよ思春期の心理描写が圧倒的な小説でした。
謎もちりばめられていて最後まで興味を持って読むことができます。
読後感もスッキリ。
読めてよかった。
私の思春期もこれで終われるかなー。
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