こんにちは、院政時代に興味しんしんのwishigrowです。
何度かこのブログに書いているのですが、京都南部に鳥羽離宮を中心とした結界があるのです。
ですので鳥羽離宮がつくられた院政時代はどんな感じだったのか? ってことで小説を読んでみました。
瀬戸内晴美(寂聴)氏の祇園女御です。
長い小説でしたが、なかなか面白かったです。
序盤は源氏物語っぽくて、中盤は司馬遼太郎っぽい歴史小説になったり、最後まで『どの女性が祇園女御なん?』『どの女性が平清盛の母なん?』ってわからなくて、色々楽しめました。
結局、鳥羽離宮は1回しか出てこなかったんですけどね。
瀬戸内氏の『男ってどうしょうもないなぁ、でも女性なら男から愛されたいよねぇ。』という考えが垣間見えます。
女性はみんなそう思っているのですか?
祇園女御とは?
平家物語に出てきます。
白河上皇の寵愛を受けて、その子どもを身ごもる。
しかし、その状況のまま、白河上皇の命で平忠盛(平清盛の父)の妻になるというのが、平家物語に出てくるストーリー。
権力者は気持ち悪いなぁっていう話ですね。
瀬戸内氏はこのストーリーを前提にしつつ、独自の創作で話を進めます。
白河上皇の外道め
時の最高権力者なので、女性関係についてはやりたい放題なんですよね、白河のヤツは。
ハーレム状態ですよ、当然。
女性の方も、権力者に抱かれて子どもを授かろうものなら、『勝ち組や~ん。』って感じで、どうぞどうぞ、ってなってます。
それどころか『あの女のところばかり行きやがって』みたいな感じで、1人の男を取り合う女の戦いと嫉妬の怨嗟ですよ。
白河のヤツはそれで満足しとけばいいのに、他に好きな人がいるっていう女の子を無理矢理に落とそうとするわけですよ。
その女の子は頑なに身を守るわけですが、白河のヤツは権力によって、意中の相手の命まで奪える立場なのです。
「あやつの命を助けてほしければ、フハハハハ。」って。
『外道め!』って思いました。
白河のヤツは「これでこそワシの支配欲が満たされるのじゃ~」って感じでした。
『外道め!』
みっちゃんとあかねちゃん
色んな登場人物が出てくるのですが、みっちゃん(道子)とあかねちゃんが一番よく出てきます。
みっちゃんは白河上皇の一番最初の正妻。
白河上皇より11歳年上なのがコンプレックスです。
そしてそのせいで素直に身をゆだねられないのです。
気高き文学女子。
あかねちゃんは男大好き、ビッチです。
色んな男と関係を持って、色んな男から好かれます。
だけど、いつも恋する人とライバルを引き合わせたり、育てたりしちゃうんですよね。
貞操を守るみっちゃんと奔放なあかねちゃんの対比も良かったです。
漢字がちょっと難しい
1968年の作品です。
読めない漢字がちょくちょく出てきます。登場人物の発音とかもわからない。
例えば、”藤原祐家”って何て読みます?
ふじわらのすけいえかなぁ・・・、って感じで、あまり気にせず読み進めました。
今検索したら、”さちいえ”が正解のようです。読めねぇよ。
まとめ
全然期待していなかったのですが、読み進めるのが面白かったです。
院政時代のことが少しわかりました。
やっぱり、祈祷とか呪いとかが信じられていたようで、時の権力者なら一生懸命結界を張るんじゃないかなぁと思えます。
僕は普段、小説を読まないのですが、京都を舞台にした小説を読めば、いつも歩く場所が四次元的に楽しめるなぁと思いました。
京都が楽しくなるおすすめの小説があれば教えてほしいです。
祇園女御、気が向けば読んでみて下さいね。
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