こんにちは、グロワラクリよりお送りしますのは、愛の話、にしたい。

失恋

あなたにも失恋の経験があると思うのですが、私はつい2ヶ月ほど前にそれを経験した。恋人にフラれたのです。

失恋の痛みは回復してきましたが、私のミスによって心が揺さぶられるイベントが発生してしまった。

元カノと食事をすることになったのだ。

忘れ物

この原因は別れる前にさかのぼる。別れの兆しを察知した私は彼女の家から自分の荷物を引き払ったのです。段ボール2箱分くらいだったろうか。

この時の私の気持ちは『相手は女の子だから私が合い鍵を所持したままだと別れを切り出せないのかな?』って考えていたので、『合い鍵を返さねばならない、そのためには荷物を撤去せねばならない。』と一生懸命でした。

その数日後に、電話でお別れすることになったのです。

手際が良かったな。エラいぞ俺。

と、思っていたのだが、忘れ物があった。なんと包丁だ。

包丁

彼女に手料理を振る舞うに際しては、切れやすい包丁が不可欠で、私の相棒を持っていってたのです。

あなたは包丁をどこに片付けますか?

シンクの下の開く扉の裏側でしょう。

だから回収し忘れていた。仕方ないよあそこは。

元カノは律儀で良い人なので「包丁を忘れてるよ。」ってメッセージをくれたのです。

大事な包丁であるし、小型金属を捨てるのはやや邪魔くさいだろうし、引き取らせてもらうことにしました。

どうやって?

引き取り

引き取りに際しては色んなパターンを考えました。元カノの在宅中に訪ねるとか、郵便ポストに置いといてもらうとか。しかしこれらは絶対に悲しい気持ちになるから拒否した。場所と記憶は結びつきやすい。元カノの部屋を訪ねると好きだった気持ちが押し寄せる。ダメだ。

駅の宅配ボックスに入れといてもらうのも考えましたけど、会えるチャンスがあるのに会わないのは逃げ腰すぎる。後から後悔しそう。

ですから、一緒に食事をしようって提案しました。

なんと、提案は受け入れられた。

会うのは気が重い

最初の提案では8月のお盆休みの頃に約束をしたのですが、それが流れ、そこから3週間ほど日が経ちます。

この間に失恋をがんばって消化したので、落ち着いた日々がやってきていた。失恋体操とかやったし。悲しい気持ちはなくなっていた。

しかし、会うとどうなるのか?好きだった気持ちを再認識して気持ちが沈むのではないだろうか?気が重い。『台風を理由にキャンセルできないかな?』とさえ考えた。

でも、会いに行く。

そっちの方がドラマティックだからな。

可愛い

某日に某所で会いました。

お食事に行きました。

向かいの席に座った元カノがマスクを外すと、久しぶりに見る顔がそこにはあるんですけど、しばらくは思い出さないようにしていましたので忘れていましたが、可愛いんですよ、元カノが。

こんな可愛い人と付き合えてたのか、良かったなぁって思った。

楽しく

別れてから初めて会うわけなので、なぜ別れることになったのか?不満があるなら言ってくれたら良かったのに、なんてことを言いたくなるところですが、一切そういう話には触れなかった。楽しい会話をした方がまた会ってくれるかな?っていう淡い望みです。

2ヶ月ほど会ってないので、話題は豊富だった。Uber EATSをやったことや穴を掘ってることなどを話した。失恋体操のことは避けた。

バイク、プログラミング、やりたいことについても話した。

頑張って楽しくしようとしたし、元カノも楽しそうだった。

以前と同じように視線を向けて話してくれるのだけど、自分は視線を反らすべきなのかどうかと迷ったりした。

よく笑ってくれた。両方のえくぼをくっきりさせつつ微笑んだ顔が心に刻み込まれてしまった。

包丁の受け渡しと食事なので所要時間は1時間程度だと思っていたのですが、気付けば2時間も経っていた。時間を奪いすぎたかな?って思ったので、そろそろ行こうかって私が切り出した。

バイバイ

最寄りの駅に向かって二人で歩いた。

改札口にたどり着くと、元カノはそれまでの歩く速度を保ったままで「バイバイ」とだけ言って、私を残し改札の向こうに歩いて行った。

元カノの後ろ姿を見つめるだけの私は急に寂しくなって心が悲鳴をあげるのを感じた。

為すすべがなかった。

いや、なかったのだろうか?ってその後も考えてモヤモヤが4時間も消えなかった。

複雑な気持ち

当初に予想していた通りに複雑な気持ちになった。傷口が開いた。

もしかしてもう一生会わない覚悟で会ってくれたのかな?最後だから楽しい素振りをしてくれたのかな?それならもっとやりようがあったのでは?

モヤモヤして心が痛い。

けども、この痛みは、愛情筋肉の筋肉痛のようなもので、痛みがあればあるほど発達するもの。

だったらいいなぁって思うのです。

愛とは何かを知らないまま死にたくない。

以上、愛の話でした。

To Be Continued…

募集中のイベントはありません

投稿者: 石黒わらじろう

京都の古い民家で暮らしている。 趣味はランニングとブログと盆踊りを含むフォークダンス。 別名義で書いた小説は映画の原作として採用された。 自分で建てた小屋にて暮らしていたことがある強靭な狂人。 地球にも自分にも健康な生活がしたい。

コメントをどうぞ

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です