この世の中には正しい努力と無駄な努力があって、正しい努力をすればゴールにたどり着けるのですが、無駄な努力をするとだた疲れるだけなのです。

私はまた、無駄な努力をしてしまったようだ。

腕立て伏せ

最近、腕立て伏せをしている。これは珍しいことです、筋トレは嫌いですから。
ジョギングをすれば遠くまで行けるし走った後のビールがとてつもなく美味しいのでメリットだらけ。
しかし、筋トレは何回やっても場所が移動しない上に疲れる。

あと、あまりにも筋力が成長しない。
そもそも腕立て伏せは10回くらいしかできなくて、『10回しかできない!』という屈辱感を何回も味わわないといけない。
この歳になると、10回が12回になって次は15回になるみたいな成長を遂げられなくて、3歩進んで2歩下がるみたいな成長なのです。
筋トレしてて悲しくなる。

動機

そもそもなぜ腕立て伏せをしているかというと、深いようで浅いワケがあります。
いや、浅はかと言うべきか。

去年からサルサダンスやフォークダンスを踊っておるのですが、実はペアダンスが苦手なんですよね。
緊張するし、考えないといけないし、ミスったらあたふたするし、いいゾーンに入れない。
そんなわけで、あまり上手くない。

だからせめてパートナーに嫌われないように、ひたすら身ぎれいにしたり、軽快に喋ったりと踊り以外の部分に力点が当たるのです。

ペアダンスというのはご存知の通り男女で組むダンスで、男性の左手は女性の右手と触れ合います、そして男性の右手は女性の背中に、女性の左手は男性の右肩に置かれるのです。
はい重要なポイントが出てきました、女性の左手は男性の右肩に置かれるのです。

ここで、ダンスが下手なかわりにせめてパートナーが触れる右肩、すなわちright shoulderをいい状態にしとくべきだと考えたのです。

ドキドキ

人は自分にないものを求めるのだと思います。
フランス人は日本のアニメ文化に憧れ、日本人はフランスの食文化に憧れるみたいなとこがある。

男性は女性の胸、すなわちおっぱいを求めがちだと思うのですが、それは自分にその柔らかな部分がないからだと思うのです。
同様に、女性にはない筋肉を右肩につけると、女性にとってはおっぱいを触るような感覚になるのではないか、ダンス中にめっちゃドキドキさせられるんじゃないかと、推測、というか期待するわけです。
頬がほのかな赤に染まるのではないかと。

気づき

そんなわけで、腕立て伏せを隔日ペースでやる日々を続けていたのですが、しかし先週のことです。

サルサダンスのレッスンに行き、『久しぶりに踊るとダメだなぁ。』なんて思いつつ励んでおりました。
たまたま男性役をやりたいと言う女性がいて、「じゃあ女性役をやってもいいですよ」って買って出たのです。
その際、パートナーの右肩に触れましたが、ちょいと置く程度なわけで、わしづかみすることもなく、揉みしだくこともないので、なんの感情も湧き上がらない。
その時気づきました、無駄な努力だったことに。
右肩に筋肉をつけるのは徒労だと理解したのです。

そもそも、ダンス中のアクシデントで胸やお尻に触れてしまってもドキドキするどころか、『失礼しました。』って恐縮するだけだ。

右肩の筋肉、無意味。
方向性、間違ってたなぁ。

虚しさ

努力の甲斐があって腕立て伏せを40回ほどできるようになったのですが、虚しいです。
『わぁ、素敵な筋肉!キュン!』って、そのキュンが欲しかったのす。

無駄な努力を重ねた自分がかわいそうだなぁ。
シュンとなるわー。

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投稿者: 石黒わらじろう

京都の古い民家で暮らしている。 趣味はランニングとブログと盆踊りを含むフォークダンス。 別名義で書いた小説は映画の原作として採用された。 自分で建てた小屋にて暮らしていたことがある強靭な狂人。 地球にも自分にも健康な生活がしたい。

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