今日は読み終わった本の話。

伊吹有喜さんの「今はちょっと、ついてないだけ」を読了しました。

この本は同年代が主人公の話で悩みや苦しみに臨場感があるから、こういう本を読むのは大事だと思った。
マンガとかアニメとかを浴びて過ごしてしまうと、主人公はだいたい10代・20代なので、ガキのまんまの精神になってしまうんですよね。幼稚な大人が増える。自分も含め。
だから、この著者と出会えて本当に良かった。

立花という40代の男性が主人公なのですが、彼は借金を背負い、田舎で落ちぶれた生活をしている。しかし元々はテレビに出るようなちょっとした有名人だった。なぜこんな事になったのか? カメラマンとして復活できるのか? というようなストーリーです。

これが、落ちぶれた40代のオムニバス形式、短編小説かと思っていたら連作短編でした。すべての話が繋がっていきます。主人公が別々のスタイルで7章あります。
連作短編小説に書き手としてとても憧れている。話が微妙に繋がっていく物語を書きたい。

どの主人公も人生の中間地点に立ち、悩みが湧いてくる。周りの人と比べ、自分はどうなんだ? って。
うぅ、まさに私の境遇も同じだ、心に響いてしまうぞ。

それぞれが出会いによって、少しづつ人生が好転していく勇気づけられるストーリーになっています。
そう言えば、なんか途中でエロい話もあったな。

章が進むごとに、仲間が増えていく感じが面白い。
水滸伝的な? 次郎長三国志的な? ワンピース的な感じ?
シェアハウスでの飲み会シーンがちょくちょく出てくるのですが、混じりたい気分になります。
同世代での飲み会がしたくなった。

私はすでに伊吹有喜さんのファンなのですが、リアリティがあって、会話の臨場感がめっちゃあるし、会話でのバトルシーンがよく出てくるのです。ハラハラします。この本でも離婚騒動が勃発していました。ヒステリックな女が出てきて、きゃああって思います。

伊吹さんは凝った文章表現はあまりなく、会話が多めなので、とても読みやすい。
すごくいいと思う。直木賞とってほしい。

「人の目を惹きつけるのは、ギャップであるという話です」

262p

この一言が印象に残った。何かで応用したい。

あとは、心のダメージを回復させる話かと思って読んでいたけれど、自分を見つけていく話だったのかもしれませんね。

そう言えば最近は私も、自分のことをよく知れてきたような気がします。
盆踊りが好きとか、フォークダンスが好きとか、サルサダンスが好きとか。
って、踊りのことばっかりやないか!

いや、他にも色々ありますよ。自分にできそうなこととできないこと。分かってきた。

私はまあまぁついています。朔日参りも欠かさずやってる。
だけど、もう少し追い風が吹かないかなぁとは思います。
でもその風を吹かせてくれるのって、ご縁なんだろうなぁと思っていますので、大事にすべきものを大事にしたいと思います。

以上です。

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投稿者: 石黒わらじろう

京都の古い民家で暮らしている。 趣味はランニングとブログと盆踊りを含むフォークダンス。 別名義で書いた小説は映画の原作として採用された。 自分で建てた小屋にて暮らしていたことがある強靭な狂人。 地球にも自分にも健康な生活がしたい。

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