今日も読んだ本の話。
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森見登美彦さんの「宵山万華鏡」を読了しました。
7/14に「好きを語ろう読書会」が招集されているのですが、この本を紹介しようと思います。
タイムリーに宵山の物語を紹介するという季節感のある粋な男を演出しようと思ってね。へへへ。
というわけで、この本は祇園祭の宵山を舞台に繰り広げられる物語です。
最初は小さな女の子の物語から始まるのですが、連作短編小説です。
6章ごとに主人公が変わる。また、文体も主人公によって変化するので、森見先生はIQが高いなぁって、勝てないなぁって思いますね。
一人称の文体と、三人称の文体が巧みに使い分けられているのも、やるなぁって思います。
アソビゴコロがすごくあるんですよね。それでも破綻しないのがすごいです。
ファンタジーかと思わせといて、実は人力っていう展開だったり、無茶苦茶です。無茶苦茶に辻褄を合わせて、無理矢理感がすごくいい。
森見ファンならではの楽しみも用意されていて、「夜は短し歩けよ乙女」の設定が使われていたり、「太陽の塔」「夜行」に登場した人物が出てきたりして、「あれ? なんか知ってる」って思って、この本の中の繋がりだけではなく、他の作品とも繋がっていて、ニヤニヤできますね。
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さて、私にとっての宵山は、特にワッキャウフフな思い出はございません。
浴衣姿の女の子と待ち合わせしたり、「常は出ません、今日かぎり」ってちまきを売る少女からちまきを買ったりした思い出はないのです。
ひたすらゴミ拾いをした思い出だけはある。ボランティア活動で。
だからあの、ムワッとした空気は知ってるし、「人がゴミのようだ」という風景も知っているし、ゴミ箱がゴミだらけになるのも知っている。
風情を感じたことは無いですね。
だけどもこういう私視点の祇園祭は貴重なのかも知れませんよね。
歩行者天国が解除される四条烏丸の風景を私は知っている。警察やヤンチャな兄ちゃんや、変な仕様の車にのった人達が集まって「常は出ません、今日かぎり」の風景が広がるんです。騒然としていますよ。
とまぁ、こんなことを読書会で語ろうかなぁと思いますけどどうでしょうかね。
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オリンピックはやるけど祇園祭の宵山はやらない。こういう東京中心の価値観には黙っちゃおれないんですよね、京都に生まれた人達は。
「勝手に盛り上がっといたらよろしいんちゃいます」
って思ってますけどね。政府に対する憤りはありますね、やっぱり。
以上です。
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