今日は読んだ本の話。
谷崎潤一郎さんの「痴人の愛」を読了しました。
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さて、ブログの著者たる私ですが、自らを狂人と名乗っておりまして、何に狂いたいかというと踊り狂いたいわけです。
踊りはすべてを超越します。
とはいえ、他の願望も無くはない。
例えば、自分の店を構えて生計を立てたいとか、小説を書いてそれが出版されたらいいなぁとか、ランニングする元気さを60歳まではキープしたいなぁとか。
あとは、右も左も分からないような女の子を囲って、何でも言うことを聞いてくれる自分好みの女性に育てたい。
なんてことは、思わなくなりました。
痴人の愛を読んでからは。
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痴人の愛は大正時代を舞台に書かれた小説で、およそ100年前に発行されています。
しかし、意外なほどに読みやすく、また気持ちが通ずるところがある。
とても面白いので、名著だと断言できます。
主人公は28歳でエリートサラリーマン。当時の電気関係の仕事に勤めているので、今でいう大手IT企業でしょうか。
そんな彼が、カフェエで15歳の少女ナオミと出会います。
当時のカフェエはキャバクラ的な場所を指していると注釈には書いてありました。
そのナオミを見初め、当初は女中としてその身を引き受けることになり、同居生活が始まります。
序盤は可愛らしく素直なナオミ。なんでも言うことを聞いてくれるヒロインの登場は少年マンガに出てきそうな展開です。
読者の私も「ナオミいいなぁ、カワイイなぁ」などと思います。
しかし、徐々にワガママなってくるナオミ。
言うことを聞かないナオミ。
対立してくることも増える二人。
さらに、どんどんナオミが助長していき、最終的には・・・!
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面白いです。
主人公の嫉妬心なんかにとても共感するところです。
主人公の心理描写が緻密で、ナオミのことを蔑みつつも、やっぱり好きだと思う心の葛藤。
あれやこれやの葛藤。
葛藤。
面白いです。
場面の選び方も今でも通用する展開だし、社交ダンス会などに赴く展開も良いです。
当時の社交ダンスは最先端な遊びだったのでしょうかね。
少し前のナイトプール的な感じ?
リムジンパーティー的な感じ?
ナオミは西洋に染まってパリピになっていくわけです。
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谷崎潤一郎がとても緻密にナオミへの好意を描くものですから、読者の私は過去に好きだった女性を思い出し、手痛い目にあったことを思い出し、
「ああ、主人公と同じだなぁ」
と、嘆かわしい。
主人公と同じくらいに、女性にハマってハマって、最後は痛い目にあう。
そんな人生を歩んでまいりました。
茨の道でした。
「そんな苦しみを味わうなら、別の女性にいけばいいのに」
なんて、主人公に対して思いつつも、一方では、
「別の女性に興味がなくなるくらいの好きな人がいい」
とも思います。
この沼からは抜け出せぬようです。
痴人とは、アホな人ってことですよね。
それでもいい。
それでいい。
君のことが好きだ。
と、いう状況に、なる覚悟でいつもいます。
どうぞよろしくお願いします。
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