どうもイライラが抑えきれなくて、「これって鬱病寸前なんじゃないか?」と危惧した。
拙者はそこそこ手負いの獣で、心には大きな傷を負っている。
傷口が開かぬように生きなければならん。
だから急遽仕事を休むことにした。
家でダラダラしたいとも思うのだが、行きたいところリストを作ったばっかりなので、せっかくだから出かけることにした。
目指すは、島ヶ原温泉やぶっちゃの湯。三重県にあるのだけど、京都府を越えたすぐのところ。
旅って人生に似ている。人生を例えるなら旅が一番分かりやすい。
あなたはどんな旅がしたい?
贅沢したい、遠くに行きたい、出会いたい、自力で行きたい、他者にお任せでいい。
やりたい旅によって準備物が変わる。何泊もしたり、色々やろうとすると準備が増える。
拙者は最小限にしよう、やりたいことはランニングして風呂に入ることだけだ、と準備して、ランニングの装備と風呂のセット(Tシャツ、パンツ、靴下、手ぬぐい、タオル)をリュックにつめる。現金は1500円くらいにして、クレジットカードとスマホだけを持ち出した。
バイクに乗るからグローブとヘルメット、あと念のため風よけ服もいる。
そして文庫本。時間が空いたら読むかと思って。
できる限り軽量化するのが拙者のスタイルです。
だが、大事なものを忘れていたし、現金に関しては後悔。
拙者は「バイクを維持できてるだけで充分だよな」と思う時がたまにある。本気出せば行きたいところに行ける、という選択肢があるのは、無乗車の季節があるのに維持費を支払う理由となっている。
(車はすごく嫌い。匂いとか渋滞とか閉じられた空間とか)
午前10時を過ぎた頃、「ジグさん」と呼ぶ相棒を走らせ、京都伏見から、宇治、和束、笠置、南山城へと移動する。
ちなみに運転はテクニカルじゃないけれど、事故ったことはないので上手いとも言える。
秋めいていて涼しいくらい。茶畑の緑と青空が映えた。

12時、南山城の道の駅で昼食。
マスクを忘れていて購入。350円ほどの現金を消失。
昼食はカードで払えた。

やたらと音頭が流れていて、盆踊らースピリットが燃える。
南山城村には田山花踊りなるものがあるらしい。興味!
13時、目的地である島ヶ原温泉やぶっちゃの湯に到着。
ここにバイクを停めて、ランニング開始。

ぜんぜん知らない場所なので、どこを目指して走れば良いのか分からず、かなり迷走。地図上の神社とか、道しるべに書いてある場所をとりあえず目指してみる。


さほど見どころのないランドマークもある。


こちらの正月堂はなかなか見ごたえがありました。
33年に1度しか開かれない秘仏があるとか。
裏の疑似西国33ヶ所巡りトレイルも楽しかったです。


「要するに今、スポーツツーリズムをしているんだな」と汗をかきながら思っていた。

西遊記の孫悟空を彷彿をさせる。

こんなに田舎でも立派な神社が建つほどの富があったんだよなぁと思う。
現代はどこかに富が集中しすぎだよなぁ。過剰だよ、偏在だよ、まったく!

富はないけど、豊かさはここにある。
と、まぁ、無計画な割には、旅ランを楽しめた。12kmほど。
人の営みや歴史が感じられるのは大自然onlyより好き。
ちょっと、新しい企画を思いついて、「旅」をテーマにした飲み会を開いたらどうだろうか?
旅の話しかしてはいけない飲み会。参加者は写真などを用意して、ゆるくプレゼンするようなスタイル。
しょうもない思い出話を聞くのはしんどいけれど、旅の話は面白くて有意義かもしれん。
走った後に入ったやぶっちゃ温泉はぬるい上に、ヌルヌルしてて、平日なので空いてて良い湯でした。
特に、露天風呂の寝湯は最高で、空とそれを渡る鳥を見ながら温泉につかれて、なんかもう、いわゆる、「極楽極楽」
脱衣所の鏡はダンスホールみたいだったし、なんだか背筋を伸ばさねばって思った。
危うく入泉料の700円もギリギリで、風呂上がりに瓶のコーラを買う金もなくなってしまったので、現金は潤沢に持っていくべきだった。
ポカポカになって、拙者は伏見に帰るのですけど、「なぜキャンプしないのか?」とは思う。
その答えは「準備がめんどくさいから」なのですが、いちいち帰る方がめんどくさいという考え方もある。
旅って、選択肢があって難しい。
どこへ行くか?
何を求めるか?
人生みたい。
例えば自転車で行っても日帰りできる距離だなって思う、修行にはぴったり。
しかし、温泉に入った後に、また汗だくになるのはやりたくないな。
キャンプした方が、より楽しめる気がするけど、準備がめんどくさくなるな。
拙者には「戦闘力を上げる」という考え方が根底にあるようだ。
これは世代によると思うが、ドラゴンボールやドラクエの影響をもろに受けている。
中二病を患ったまま生きていて、最強を目指しているんだろうな。
いつまでも天下一武道会。
旅行には癒やしより修行を求めてしまうんだよな……、
旅先でランニングするのは、こういう志向があるからだろうな。
以上。
第1回の旅ランはこんな感じ。
天候に恵まれたし、観光っぽいこともできたし、泉質は良かった。
「キャンプをすべきじゃないのか? しこたま酒を飲めるし」
という反省を残し、次回へ続く。
戦闘力を上げて、自由を得ていく、行動範囲を広げていくのが、我々世代の人生かもなー。
我らの旅はつづく!
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