この世には反抗しがたき自然の摂理が存在する。
アウトドア活動をすると顕著にそれが分かる。
ちょっくら琵琶湖で泳いでやろうと滋賀県の志賀に行った土曜日のこと。ナゾノトチの我が小屋は健在で、気候が「アウトドアシーズンだよ」と告げていた。
だからちょっと調子に乗って、焚き火をし始めた。
ヒトをヒトたらしめる儀式みたいなもんだ。
ところで拙者はルーズでござる。
めんどくさがりの、ほったらかしやさんだ。
使うかもしれない道具や、使わないけど捨てるのもめんどくさいゴミが身の回りに溜まるし、ナゾノトチにもそういうものがある。
中には1年以上、あるいは2年か、自然の中に放置された物があって、驚愕するのだ。
自然が土に還そうとする力に驚愕するのだ。
要するに、放置しておくと腐ってくるのです。
水、土、虫、太陽光、菌。色んな力が働いている。
例えば木などは、水気を帯びるとふにゃふにゃして、菌類、あるいは虫たちに分解され、ボロボロになる。
プラスチックは水には強いが、太陽光には弱くて、ボロボロになる。
鉄は錆びるし、布にはカビが生えて汚くなるし、放ったらかすと自然にのみ込まれてしまう。
まさに「もののけ姫」のラストシーンを彷彿とさせる。
拙者は燃やせるゴミは燃やして、使うものは置いといて、ゴミもとりあえず置いておいた。
あまり片付いてない。
その件はおいといて、とにかく、動かさないと腐っていくのが自然。
食べ物は食べないと腐る。
ヒトの体は動かさないとなまっていくし、本当に動かなくなった時は腐る。
陶器など容易に腐らないものも存在するけれど、そういうものであっても、世の中が変化することによってなんだか古臭く見えてしまう。
デジタルデータであるWebサイトなんかも、実際に腐りはしないけれど、更新しなければ腐ってるような印象を受ける。
流動性を高めねばな、と焚き火に木をくべながら拙者は思った。
動かさないとな、
自分の手に余る物は処分しないとな、
気に入った物や扱えるものだけを手元においておこう、
そうじゃないと、腐ってしまう。
それが自然の摂理だ。
というわけで、一生懸命に焚き火して整理整頓していたら、琵琶湖で泳ぐ時間がなくなってしまったという、苦い日になりました。
動かせるものなら二輪車2台でも持っときゃいいし、動かせないもの、稼働させられない物は手に余るから手放してしまおう。
腐って、空気が澱んで、問題が大きくなるばかりだからな。
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