ふと我に返ればニマニマしている。
1人でいるときも、バイクに乗っているときも、商店街を歩くときも顔が笑っている。
一昨日など、商店街でニマニマしていたら、気づくと通行人の視線がこっちを向いていた。拙者はそれに気づき下を向いて歩いた。それでもニマニマは止められなかった。
なぜニマニマしていたのか思い出せないが、妄想が捗っていたのである。
一般人であればこの状況は恥ずべきことかもしれないが、拙者は小説家を目指しておるため、絶好調である。
修行の成果が出てきておる。
拙者は小説「赤毛のアン」を経典とし、主人公「アン・シャーリー」を教祖とし、妄想修行に励んでいる。
アンはクラスメイトより少し惨めな時がある、たとえば袖の広がった服を持ってない時など、しかし想像力で補い、それが魅力だと自負しているのだ。
拙者もかくありたい。
修行内容を明かす。
妄想修行その1は動画を見ぬことで、テレビやYouTube、TikTok、ネット動画などを控えている。
どうしても時間が減るのと、動画は想像の余地がないからだ。
妄想修行その2は貧乏に暮らすことで、金で解決できない分、知恵が働くからである。
妄想修行その3は読書である。
読書には充分に想像の余地が残されている。
たとえば主人公の顔すら想像し放題である。
妄想修行その4は自然に親しむこと。
自然は情報量が多く、頭が活性化される。
妄想修行その5は布団に入ってすぐに寝ようとしないこと。
目を閉じて空想を広げている。
寝て夢を見ているのか、意思を持って空想を広げているのか分からなくなる。熟睡できなくてツラい。
と、これらの修行の成果で妄想が暴走し、あらゆる時にニマニマしている。
そろそろ奇人変人のたぐいとしてご町内で噂になるかもしれぬが、気にしないでおく。
以上。
募集中のイベントはありません