飛脚は棒の先に手紙を挟んだり箱を付けたりして走ったらしい。
実際に見たことはない。
それはたぶん江戸時代の話で、今とは走り方も違ったのではないかと言われている。

令和時代に生きる拙者はというと、飛脚では稼げないので、ランニングは趣味であり、ただ走るだけではなく、走った後のビールや銭湯、トレラン、旅ランなども好んでいる。
ランニングは簡単なスポーツだ。家を出て、適当に走って、家に戻れば良い。
だが、銭湯をゴール地点にするには少し計画性が必要だ。
よくあるパターンは銭湯まで行き、荷物を置かせてもらって、数キロ走り、銭湯に戻る。A to A のパターン。
しかし、A to B をやる人もいて、そういう人はトレランリュックに着替えを詰めて走るらしい。

拙者は思う。トレランリュックを買うべきかなぁ。しかし背中が蒸れるのは嫌いなんだよな。できればリュックを逆にして胸側に抱える方が好き。うーむ、トレランリュック、いらんなぁ。
そういえば飛脚って、リュックを背負わないよな!

というわけで、飛脚棒に銭湯セットを釣って走ったらどうなるのか? やってみた。

ちなみにWebの記事では飛脚棒を使ってみる記事はそこそこある。
しかし、記事のための企画って感じで、本気度が足りない。こっちは実用性を求めているんだ。
トレランリュックを超えれるか否か、それが知りたい。

花粉が飛びまくっている春の土曜日。梅は散りはじめ、サンシュユが咲いたり、木瓜の花が目立つようになってきた。
だいたい決まったいつものコースを走る。違うのは竹の棒にトートバックを付けて担ぐこと。

竹は20年は経ったような品だが、取り付ける部分は近代的にカラビナとトートバックにした。

飛脚棒を持って道を歩くなんて、周りの人が誰もやってないから、ちょっと恥ずかしい。
だが、白日の下に持ち出してみると気づいたことがある。

杖に擬態できる

飛脚棒は肩に担ぐから飛脚棒なのであって、地面につけると杖だった。
杖を持っているのは変じゃない。険しい山に向かう人か、ノルディックウォーキングみたいになるので大丈夫。

杖状態で近くに駅まで行ってみて、いよいよ担いでみる。

選択肢が多い

飛脚棒を肩に担ぐだけだが、選択肢が多い。
右肩か左肩か。どの程度荷物を遠くにするか。手で持つ位置はどこにするか。持つ角度はどうするか。
どのポイントが楽なのか、安定するのか分からなかった。

そして車とすれ違う時にも効果を発揮する。

強くなる

どうも人間の心理は長い棒を持つと強くなるようで、いつもなら車とすれ違う時は逃げるように遠ざかるのだが、棒を持っていると戦うすべがあるような気になった。強い!
また、存在感もアップして、車が気をつけてくれそう。

むしろ、棒を持って走ることに子供の頃から憧れていたような気になった。
ドラゴンボールとかでね。

しかし、人目にさらされているのである。

人の視線はちょっと気になる

まぁ、普通に生きている人は、飛脚棒を担いだ人とすれ違わないので、視線がむくよね。ちょっと無視できない存在になる。
たぶん多くの人に見られる。
その分、頑張って走り去る。

走っていると徐々にしんどくなってくる。

姿勢が良くなるかな?

これは検証できていないが、肩で棒を支えるので姿勢が良くなるはず。
だとは思うのだが、変な姿勢になる可能性もある。片側に力が入ったりするから。
ちょっと分からん。
とにかく途中から、姿勢をキープするのがしんどくなる。
棒を持ってる手がだるくなってきたりもするので、左右を変えたりする。

そうすればいつものように走れるかと思うが、そうではない。

速くはない

今日の調子なら、1kmあたり5分台で走れたはずである。
しかし結果は6:21だった。やや遅いペース。
また、上半身を動かさないようにしようとするあまり、走りがぎこちなくなって疲れる。
この点、トレランリュックの方が速いんじゃないかと思う。

あと、心理にも少し影響がある。

地位が下がった気持ちになる

これは不思議な心境だが、棒を担ぐというのは、やはり原始的であり野蛮な印象。
また、振り売りの印象もなぜか持っており、駆け出しの下っ端感が出てしまう。
自分の中の歪な価値観を発見した。

というわけで、ぜんぜん使い物にならないわけではないし、そこそこ走れる。
今回は練習なのでA to A だったのだが、目的地を変えて本番をやってみるべきだ。
どうしてもリュックの背中の蒸れを許容できないからなぁ。飛脚棒でなんとかなるなら、ちょっとだけ嬉しい。
あと、山でクマに遭遇したとき、トレランリュックでは牽制できないけど、飛脚棒なら……。
いや逃げろ。

夏場になったら進化して、ふんどしで走ってみるかもー。

以上。

投稿者: 石黒わらじろう

京都の古い民家で暮らしている。 趣味はランニングとブログと盆踊りを含むフォークダンス。 別名義で書いた小説は映画の原作として採用された。 自分で建てた小屋にて暮らしていたことがある強靭な狂人。 地球にも自分にも健康な生活がしたい。

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