100点満点よりも及第点のほうが、次の回を楽しみにできるんちゃうかな。守りに入らなくていいから。

2023年9月3日(日)、イズミヤSC六地蔵店の盆踊り会が実施され、拙者が選曲とレクチャーを担当し、無事にその役割を終えた。
この会は初開催で、客層や雰囲気の予測が立たず、明確なプログラムもなしに挑んだので少々グダったのだが、臨機応変に良いチョイスができていたと思う。
大事なことを学び、そして次への希望を抱けている。
とても良い状況である。

イズミヤ六地蔵店はここ最近、地域の人々と連携したイベントの開催に力を入れておられる。毎週のように無料のミニコンサートが行われ、そこそこ観衆も集まっているようだ。
その延長で、夏に盆踊り企画ができないかと館長は構想し、人に相談し、古い音楽仲間から拙者に話が振られ、二つ返事で「私がやります。適任です」とお答えしたのであった。
サイレント盆踊りやニセ祇園祭などの盆踊り企画を経験し、そろそろゲリラじゃないヤツもやりたいと考えていたところだった。

これは盆踊りシーズンが始まる前の話で、いざシーズンが始まってみると拙者は色々と複雑な心境になってくる。
京都の盆踊りは玉石混交で、楽しいのもあるし、ただ消耗するだけのものもある。無理やりにテンション上げざる負えないこともあるし、連絡先を交換したと思った女性から一度も既読がつかずに無視されることもある。
そういった色んな状況と体調不良も重なって、あまり盆踊りに前向きになれなくなっていた。引退も考えた。
なにより見本になってくれる踊り子を集めるのも骨折れる。
こういう心理を抱えたまま、どんどん開催日が近づいてくるのである。

さらに不自由なこともあって、こちらから提案した時間と店側から返ってきた時間が違っていたし、キッズダンスの先生も演者に組み込むと言われ、これは想定外で「やっぱゲリラが向いてるかな」と考えたほどである。

しかし、引き受けた以上は責任を果たさねばならぬ。

迎えた当日、ショッピングセンターのエスカレーター吹き抜けの広場に音頭と拙者の声が響いた。
結果としては及第点。合格ラインは超えていた、と考えている。

序盤は子どもたちも巻き込んで2重の輪になっていた。具体的には30名弱の人たちが踊り、会場のスペースいっぱいの規模になっていた。

また、キッズダンスの先生との連携も上手くとれて、こちら側も先生にマイクを渡した後は一時的に緊張がほぐれて良かったと思っている。

しかし後半は縁日ブースに子どもたちが流れていき(そういうタイムスケジュールが組まれていた)、内輪向けの選曲をせざる負えなかった。ゆえに発表会的な感じになってしまったが、最善であったはず。

頑張って覚えたジャンボリミッキーも子どもたちが集まってくるほどではなかったが、輪を囲んだ人たちはみんなよく踊れていたし、とても楽しめた。

一応セットリストを書いておくと。
・炭坑節(2回)
・江州音頭
>キッズダンスの先生によるオリジナル音頭
・かわさき
・ドンパン節
・ダンシング・ヒーロー
・炭坑節(リクエスト)
・春駒
・河内音頭(手踊り)
・ジャンボリミッキー
・炭坑節(リクエスト)
たしか順番はこんな感じだったと記憶している。

とにかく初めての開催で手探り状態。そんな中でもやりきったし、嬉しいこともあったし、課題も見つかったし、それは次への希望になっている。

最も嬉しかったのは、有能な仲間がいると再確認できたこと。
見本となって踊れる人が自分含めて4人で、これは最適な人数だった。櫓の四方に散れば隙がない。
ジャンボリミッキーやるよ、と言えば履修してくれるし、周りの人に「どうぞ輪に入って~」なども自然に配慮してくれる。
大阪の遠いところから尊敬すべき盆踊らーも来てくれて、拙者が見本に踊る必要がなかったほどに恵まれていた。
人材豊富なので、1人でバタバタ動かずにしっかり役割分担をするのと、協力してもらう役割を増やしていくのが大事だと反省している。祭りってのはそういうもんだ。

特に反省すべき点は、音楽の再生を人に任せられなかった点だろうか。スマホで再生したのであるが、ロック解除して、選曲して、再生するとそこそこ時間がかかり、その間、場がシーンとなり踊り気が散ってしまうような気がした。
もっと盛り上がりを作れるはずだ。

あとは、生唄でいけるだろうと思った。ドンパン節の踊りレクチャーのタイミングで歌詞を諳んじた訳だが、見本になる人も豊富だったしそのまま素謡したら良かったかもしれん。
盆踊り会で唄や演奏まで担うなら、唄が好きな人も仲間に入れられるのでさらに希望が湧く。

時間配分にも課題があった。1時間の枠を貰っていたのだが、経験不足によりどの程度レクチャーに配分すべきかが分からなかった。もっと時間を使っても良かった。

みんなの感想としては、「館内だったので涼しい環境で踊れて良かった」という声を聞いている。
また館長からは「子どもがこんなに来たのは初めてだ」と聞いたし、その後お客さんから「感動した」「またやってください」と2件の電話があったそうだ。
光栄である。

拙者の個人的な感想はというと、久しぶりに会を仕切って以前の自分と再会した気する。
コロナ前まではフォークダンス会や人狼会などで、場を仕切る機会がたまにあったけれど、最近はやっていない。
人を前にする程よい緊張感と、濃密な時間の流れの中で頑張って頭を回し、適宜判断をして動くのは、疲れるけれども生きてる実感が湧く。
またやりたくなってくる。

他にも踊り手側と主催者側の相違に気づいたが、それは別の記事で論じることにする。

今回の機会をいただき、自分たちが仕切る会の面白みを味わえて、とても刺激を受けた。
一般の踊り手よりも選択肢が増えて楽しい。
踊り手は、頑張って踊るか、頑張って声出すか、他の踊り手と交流するか、どんな服装で行くか、くらいの選択肢しかないのだが、仕切る側は選曲もできるし、それを生演奏でやるかも考えられるし、司会はどうするか、何らかの新しい取り組みはできぬか、などなどに思考を巡らせられるので、妄想が広がる。
愉快なり~。

仲間と力を合わせ、練習を積み重ね、来年は5ヶ所くらい仕切れるようにと目論んでいる。
そんなわけで、今後ともお付きいよろしくお願いします。

以上。

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投稿者: 石黒わらじろう

京都の古い民家で暮らしている。 趣味はランニングとブログと盆踊りを含むフォークダンス。 別名義で書いた小説は映画の原作として採用された。 自分で建てた小屋にて暮らしていたことがある強靭な狂人。 地球にも自分にも健康な生活がしたい。

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