足元にヒヨコがいる。ヒヨヒヨ鳴いて、そこらへんをつっついている。
ヒヨコが孵って19日が経った。
拙者は甲斐甲斐しく世話をして、成長を見守る。
だが、成長して欲しいようなして欲しくないような複雑な心境だ。孵って2.3日は急に大きくなって、すぐさまヒヨコとは呼べなくなるんじゃないかと悲しくなったが、まだまだヒヨコのままでいてくれている。
ただし、これまでは拙者の足元からあまり離れなかったが、昨日から大胆に遠くまで行くようになった。
遠くに行くのは怖いのでやめてほしい、イタチもネコもカラスも、さらにはアライグマまでいるのだ。

ヒヨコは2羽いて、おそらくオスとメス。
幼馴染みとしてお互いを頼りにしながら育っている。
メスを小屋に入れて、オスを外のままという場面が時たまあるのだが(捕まえようとしても逃げるから)、その際メスは呼ぶように鳴く。オスもその声を気にかける。
いずれオスを〆る日がくると思うと気が重くなる。
メスはどのくらい鳴き続けるのだろうか。

オスとメス、どちらがよく鳴くかご存知だろうか?
これはまだ仮定の段階ではあるがオスの方がうるさい。
今の2羽しか経験がないので、性差なのか個体差なのかはまだ分からないが、オスの声の方がデカいというのは納得しうるところではある。威嚇したり、求愛したりせねばならぬからな。
拙者はオスの鳴き声に困る時がある。車の盗難防止警報音みたいな声で鳴くから、近所迷惑である。
成鶏になればうるさいのは知っていたが、ヒヨコの段階からうるさいとは初耳である。

死なれるのが嫌なので、とても可愛がっている。
可愛がると言っても、よしよししたりはしない。どこを撫でても嫌がるので触らない方が良い。
では、どう可愛がるかと言うと、できるだけ小屋に入れっぱなしにせず、庭に放してやるようにしている。
しかし目が離せない。イタチなどがいるので、見といてやらねばならない。
ゆえに、最近は庭でお茶を飲み、今朝などは庭で朝食を食べるようになった。
ヒヨコによって生活スタイルが変わる。
良い方に変わるといいんだけどな。

蚊が飛んでくるのでパチンと叩く。そのぺしゃんこの死骸をヒヨコに見せると、とても喜んで食べてくれる。
ヒヨコにとってはオヤツみたいだ。たまに足元に止まった蚊や飛んでる蚊までも食べるので、やるなお前ら、と感心する。こちらも負けじと蚊を叩き、ヒヨコの前に手をかざす。
これまではウザいばかりだった蚊は獲物という認識に変わりつつある。
蚊よ、寄ってきてもいいぞ。

ヒヨコの成長の過程を丁寧に書きたいとは思いつつ、19日が過ぎてしまった。
初めての経験を積み重ねた19日、こわごわ過ごした19日。
明日はどんな成長を見せてくれるだろうか。楽しみである。

以上

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投稿者: 石黒わらじろう

京都の古い民家で暮らしている。 趣味はランニングとブログと盆踊りを含むフォークダンス。 別名義で書いた小説は映画の原作として採用された。 自分で建てた小屋にて暮らしていたことがある強靭な狂人。 地球にも自分にも健康な生活がしたい。

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