「私には知らないことが多い」

あなたは自分が好きなものを知っていますか?
・好きなもの
・好きじゃないもの
2つに分かれると思いますが、もう一つありますよね。
・経験したことがないもの
例えば、カヌレを食べたことがなければ好きかどうか分からないし、クラシック音楽のコンサートに行かなければ好きか分からない。
経験がないことにチャレンジしないと、本当に好きなものを語れない。

2022年1月16日(日)関西フィルハーモニー管弦楽団のニューイヤーコンサートを鑑賞しました。
私は知る。
・クラシック音楽よりアイリッシュが好きだな
・フルートの音色は好きだけど、そのポテンシャルを発揮できる曲がいいな
山本英(やまもと はな)さんのファンだけど、アイドル的に追っかけてる訳じゃないな
そんな自分です。

忠誠心

私はフルーティスト山本英さんのファンです。
これまでに2度、演奏会に行きました。
>>聴き惚れる。山本英さんのフルートリサイタル
>>美しきフルート四重奏と困惑・混乱の私
ファンであるならば、関西圏で行われる演奏会には馳せ参じねばならぬと思うし、コロナで一寸先は中止だし、英さんがめっちゃ有名になられたらチケットが高くなるかもしれんし、行ける時は行くべきだ。きっとそうだ。
少し悩みを抱えながら、甲賀市に向かう。バイク、下道、1時間半。飛ばすのは楽しいのですが、とても寒い。
寒くても単騎で向かう自分に、英さんへの忠誠心を感じます。

これはコンサートが終わった後の写真

クラシックよりアイリッシュが好き

今回は関西フィルハーモニー管弦楽団(KPO)のコンサートで、ソリストとして山本英さんが招かれています。
メインはKPOの弦楽アンサンブル。バイオリン、ビオラ、チェロ、コントラバス。
この編成で、クラシックの有名曲や映画音楽が演奏されたのですが、あまり曲調が好みじゃなくて、バイオリン(フィドル)の音色はアイリッシュのテンポ感やビート感が欲しい、と私は感じました。
もしかしたら、この編成の力が発揮されない曲目だったのかもしれませんが、私はクラシックを好まぬようです。

フルートのポテンシャルを発揮できる曲がいいな

上記の通り、前半はやや不満を抱きながら後半を迎え、山本英さんがゲスト的に登場されて、私はファンですから「ははははぅぅぅ」となります。プリンセスのようです。モフモフの薄水色ドレスです。
しかし、演奏曲はサウンド・オブ・ミュージックのメドレーで、これは、フルートのポテンシャルが発揮されてないと感じました。
全体の中の一部をフルートが担っているのでしょうけれど、私が求めているのはもっと主張する音色なので、心にズバンと来ない。
フルートのための曲とか、編曲とかあるようで、魅力が出るのはそこみたいだ。

アイドル的に追っかけてる訳じゃない

英さんって、とても可愛らしいお嬢さんなんですよ。

https://www.instagram.com/p/CY0TheFvYFq/
当日のインスタ

最近になって英さんのインスタを知って、そのお写真がめっちゃ可愛くて、私は困惑していたのです。
「自分って、若い女の子をアイドル的に追っかけてるんじゃないか?」と。
これはキモいし、追いかけるなら、本業のアイドルを追いかけて疑似恋愛を愉しめば良いのですよ。
「フルーティストをアイドル的に追いかけるのは違うだろ!」と、悩んでいたのです。

ですが、今回この疑念が晴れました。
アイドル視しているのであれば、その姿を見て、声を聞くだけで満足だと思うのですけど、それはぜんぜん違っていました。
フルートの音色で心奪われるのを私は望んでいて、今回はそれが1曲だけで、不満足であると同時に、これまでの2度はめっちゃ価値のある演奏会だったんだ、と思い返した。
本当に私の世界が音楽だけになる瞬間を与えて下さって、そのサービス提供者たる英さんのファンなのです。
そこに私の忠誠心があるのです。
アイドル視はしていない。

席が悪すぎて

上記の通り曲目や英さんの出番については不満足だったのですが、最もヒドかったのは席でした。
まぁ、チケットを買うのが遅かったので、どんな席でも受け入れようと思っていたのですが、空調の雑音が常に聞こえてくる席で、生演奏なのにラジオの音質みたいになってて、前半のプログラムはほとんど雑音の記憶しかない。
唯一の救いはお隣にうら若き女性が座って、なかなかフローラルな香りが漂ってきて、この子が彼女だったら、、、と想像の余地があるわけですが、そんなことのために来てるんじゃない!
空席もありましたので、休憩中にスタッフさんにお願いして席の変更を申し出ました。言ってみるもんですね、大人らしい問題解決ができました。

コロナのせいで換気システムをパワーアップしてるのかもしれないけれど、あの席は売ったらダメだろう、とアンケートにも書いといた。

たくさんの良い面

ちょっと、不満げなことを書きすぎましたが、良い面もありました。
・司会者さんがいて、曲紹介が丁寧で緊張を緩和してくれた
・バンドマスターのバイオリニスト、岩谷裕之さんの演奏スタイルはオーバーアクションで演技じみてて好きだった
・英さんのモフモフドレスを生で見れて良かった。ネバーエンディングストーリーのファルコンみたいなモフモフなのです
・特にモフモフの毛がフルートに引っかかってしまって、フルートを持ち上げるとスカートも持ち上がってしまう、でももう片方の手にはマイクを持っている。という状況に陥った英さんの少し困惑した仕草が可愛くて、とても印象に残っております
・司会の方からの英さんへのインタビューが良かった
・例えば「電車で来ました」とおっしゃったときには、「なんと! 私がレンタカーを借りてお送りするのに!」と思ったり
・お母上が英さんを”子供のためのオーケストラ”にお連れになったきっかけで英さんはフルートをやりたくなった、と聞き、私は「お母上、でかした!」と、強く思ったりしました
・10歳の頃にフルートを手にされ「その頃から、今もずっと楽しい」とおっしゃっていた。「楽しいとは、なんて素敵な言葉なんだろう」と私は思った
・私も楽しいことをちゃんとやろうと思った

と、良い面もたくさんありました。

甘いものは好きじゃない

さて、少し食べ物の話。ちょっと印象的な出来事でしたので書いておきます。
時間を遡って、甲賀市水口に着いた後、お昼にうどんを食べました。

鳥なんば

まだ空腹だったので、会場併設の喫茶店でコーヒーとスイーツを頼みました。

いちごマスカルポーネなんとか・・・

可愛いスイーツを食べて、健やかな時間を過ごし、そろそろ入場しようかと思ったところ、店員のおばちゃんに声をかけられた。
「甘い物、お好きなんですか」
私は正直に答えた。
「好きじゃないです」

この回答に、おばちゃんは爆笑。
まぁ、確かに変な回答なのですよ。
安くはないスイーツを頼んだ上に、熱心にスマホカメラで撮るヤツの口から出た言葉とは思えませんよね。
おばちゃん的には間違いなく、好きです、という言葉が聞けると思って、次の言葉を用意していたようだ。

私も、しまった、って思って、
「嫌いではないですよ、控えてるだけです」
と、取り繕った。
「私、勘違いしちゃった、もう、やだ、アハハハ」
みたいなことをおばちゃんは言い、そして、コーヒーのお替りと、カヌレを持ってきてくれた。
「カヌレ食べたことあります?」
「カヌレ、焼いたことありますよ」
「キャー、すごい!」
こんなやりとりがありまして、たいへん印象に残りました。

カヌレ、外はカリッと中はしっとり

旅先のカフェはええなぁ、
という話です。

好きなものへの理解

というわけで、
11:00頃に家を出発し、12:50頃にうどんを食べ、13:30頃にカフェに行き、14:30から16:30頃までコンサートがあり、変な道を帰り18:00頃に家に着いた。そんな日でした。

「英さんの出番が少なかったぞー!」
と、思いましたけれども、好きなものへの理解は深まりました。
・クラシックよりアイリッシュが好き
・本気のフルート曲が好き
・英さんの奏でる音が好き
・甘いものは好きじゃないけど、好き嫌いをちゃんと言う人は好まれる
・バイクで走るのは好きだけど、寒いのは嫌い

私はこれからも山本英さんのファンでいられるし「ずっと楽しい」という言葉をいつまでも思い出せるだろう。
だから「ずっと楽しい」って言えることをちゃんとやろうと思っています。

貴重な機会を頂き、ありがとうございます。

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投稿者: 石黒わらじろう

京都の古い民家で暮らしている。 趣味はランニングとブログと盆踊りを含むフォークダンス。 別名義で書いた小説は映画の原作として採用された。 自分で建てた小屋にて暮らしていたことがある強靭な狂人。 地球にも自分にも健康な生活がしたい。

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